好きや愛してるを使わずに
告白してみてください


婚約者と!






「ユーリ」
名前を呼ばれて振り向いた、ら、閃光一閃。
「痛っ!・・・お、親父にもぶたれたことなかったのにー」
いわゆる眞魔国での正式な求婚の作法。
迷わず有利の左頬を叩いたヴォルフラムは自分の頬を指差し残念そうな声を出した。
「叩き返してはくれないのか?」
「おれは異文化コミュニケーションについてもう人の頬を平手では打たないって決めてるんですー。グーでいいのなら殴るぞ」
握った拳を、まさしく異文化コミュニケーションによってできてしまった自分の婚約者にぴとりと押しつけ有利は言った。
その言葉にヴォルフラムはエメラルドの瞳を煌めかせた。
「熱烈だな!それは眞魔国で"あなたのことを愛している"という意味だぞ」
「うわぁバイオレンスラブ・・・、信じらんない・・・」

うえー、と拳を引いた有利のまさにその腕を掴んで、つんのめったその体を自分の元に引き寄せたヴォルフラムはとっておきの秘密を教えるように婚約者の耳元に口を寄せ、笑いまじりの言葉を吹き込んだ。

「まあ、嘘だけどな」





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男前三男坊

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