好きや愛してるを使わずに
告白してみてください


大賢者と!






「月が綺麗だね」
親友の数学の勉強を見てあげていた村田はひとつ伸びをすると窓の外を指差した。
対する有利はノートにがりがり数式を書きなぐりながら
「んー、こんな月が綺麗な夜なら死んでもいいかもな」
と返事をした。
「・・・・・・あはは、渋谷知ってたんだー」
弾かれたように有利を見た村田に、有利は数式を書く作業を中断して得意気にペンを回した。
「この前授業でならった。夏目漱石だろ?」
くるり、くるり、と弾みをつけて回るペン先を見ているうちになにか一言を有利に言い返さねば気がすまない、という気になった村田は真っ白な頭のまま意気込んで口を開いた。
だが口から出てきたのは思ったよりもずっとまぬけな言葉で。
「そっちこそ・・・くたばって、しまえー・・・」
僕は馬鹿か!
じわじわと赤くなる顔を隠すべく、頭突きの勢いで机に突っ伏した。
うめき声をあげる親友を不思議そうに見ていた有利は親友の髪のすき間からのぞく耳が赤いことに気が付いた。
そして今さらながら自分が何を意味する言葉言ったのかきちんと理解し、有利は赤くなった顔を両手で覆った。
「うわ、なんだこれジワジワ恥ずかしい!」

羞恥に悶える男子高校生が二人。
階下からは「お夕飯できたわよー」とのんきな声が聞こえてきた。





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ベッタベタ
知らないだろうと言ってみたら大火傷をおった倪下と飛び火した陛下

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