好きや愛してるを使わずに
告白してみてください


護衛と!






「手でも腕でも命でも差し上げると「だからそういうのはいらないんだって!」

向かう視線の先はコンラッドの左腕。
食い気味にコンラッドの言葉を遮った有利は俯いたっきり沈黙をまもっている。
「・・・どうせ・・・る・・・ら」
「ユーリ?」
瞳が見たい、とコンラッドは思った。
彼の黒曜石は悲しみに潤んでいるのだろうか。
それとも揺れているのだろうか。
表情を隠してしまう前髪を払おうと伸ばしたコンラッドの手は有利の手によってはじかれ。
「どうせくれるなら」
顔をあげた有利の瞳は怒りによって爛々と輝いていた。
コンラッドが考えていた湿っぽさはなど、どこにも存在しない。

「五体満足なコンラッドがいいなっ、って言ったんだよ!」
ぶつけられた言葉を噛み締めるようにもう一度コンラッドは有利へと手をのばした。
今度ははじかれることもなく、コンラッドの手は有利の顔の輪郭をたどった。
眦のあたりを親指で擦り、目を閉じるように促すと瞼の上に唇を落とす。
「髪の先から爪先まで全部あなたのものですよ、ユーリ」
それからやっと黒い瞳のふちが水気でぼやけた。





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最初は
「どうせくれるなら五体満足なコンラッドがいいなっ」
「ユーリ///」
「コンラッド///」
みたいなバカップルな会話になるはずだったのに。

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