「……(っち、はぁ…)」

ここ数日なまえと営みにふけても納得のいかない男がここに居る。

「すー、すー」
「(気持ちよさそうに寝やがって、この糞がっ!)」

イラついて、なんか殴りたくなってしまうなまえの寝顔。
先ほど、営みが終ったがもう一度、今度は無理矢理襲おうかなどと考えている森田。

「なまえ、襲うぞ」
「…すー、」
「っち、はぁー・・・」

森田自身のヤル気が起きない以上、寝てるなまえに何言ってもムダ。
しかし、なまえの態度は森田にとって鼻につくものばかり。
イライラはしているが、SEXしててもなまえは上の空。
なまえとヤってても楽しくない。
そんな事を今更言ったって何にもなんねぇのは百も承知だが、気持ちいいを求めている森田が居た。

お互いの関係は別に、変わったことなんてない。
付き合ってからも長いし、それだからといって水をさしてくるような奴は居ない。
実際SEXの流れもある。
なまえがして欲しい事、森田がして欲しい事お互いを尊重しあって、ヤってるつもりだし、森田だってなまえの事を必死に考えてる。
逆にそのような事を考えているから楽しめないのじゃないかと、一人で結論をだす森田。

「(…気持ちよさそうに寝やがって…)」

森田はなんかわけがわからなくなって、ベッドから離れソファーでタバコを吸う。
勿論、何にも履いていない。
素肌に直(じか)に伝わる布が妙にくすぐったく感じる。

「…ふぅーっ、…」

森田がタバコを吸っていると、何かを察したのかなまえが起きる。

「んぅ…??あれ、てつ??」
「なまえ?起きたのか?」
「てつ??…あ、タバコ吸ってたんだ。ごめん、居なくなっちゃったと思ってた。」
「ふーっ、別に居なくなってもいいだろ?」
「…う〜んっ、なんで?」

なまえが背伸びをする。森田からのアングルだとなまえが腕を上げると丁度胸が見えなくなる位置に座っていた。
しかし、背伸びはすぐ終わり先ほどまで愛撫していたキレイな胸が見える。

「何でって、お前。別に俺が居なくなる事くらい想定内だろ?」
「よいっしょっと、えー、でもやっぱり起きてたら手紙だけって寂しいもんだよ、」
と、いい布団から出、森田に近づきタバコの催促をする。
森田は、ほら、と言いタバコとライターを渡した。
「ありがとっ、ふぅー、腰いたいっ!」
なまえが森田の隣に座る。
彼女も何も着ていない。そんな彼女を見慣れたのか森田は一度見ただけでその後はタバコに集中した。

「ふぅーっ、」
「……この後、私巽さんのところ行くんだけど、てつ行く?」
「…いかねー、俺まだやることあるし」
「中条…だっけ?」
「あぁ…まだ、会って挨拶程度だからな…すこし、話積もる所までいかねぇとな…」
「ふーん、……まぁないと思うけど、その中条って人に怪しまれて尻尾つかまれないようにね、てつその辺甘いから」
「誰が甘いって?」
「だって、銀さん言ってたよ。てつは"甘ちゃん"だーって」

なまえの口から「銀さん」と出てくる。
そのたびに、森田は体中にいやな汗がドバッと流れる感触がする。
それがやがて、手に到達し手汗が酷くなってしまう。

「そうか…まぁ、確かに"甘ちゃん"かもな…」
「ってかさ、銀さんに顔向けできないんじゃないの?」
「そんな事ないよ、この紙切れを本物にすればいいだけの話だからね」
「それが出来てないから、顔向けできないんじゃないの?って言ってんじゃない…」
「あーはいはい。わかったよ……はぁー」

タバコを灰皿に無理矢理ねじ込む。

「気がうせた、もう一回ヤろっか」
「だから、私コレから巽さんのところに行かなくちゃいけないって言ってんでしょ?」
「いーじゃねぇかよ。一回くらい」
「だめ、どうせてつ、今度のは長くヤるつもりでしょ?そんな事してたら巽さんと会う約束遅れるからやだ」
「こんな夜遅くに会うのかよ、もう12時まわってんぞ」
「知ってる、」
「…ヤんのかよ」
「は?」
「巽さんとヤんのかよ」
「はぁ、莫迦ね。仕事よ!し・ご・と!てつだって、夜遅くに人と会ったりするでしょ?」
「…しるか。なぁ、兎に角行くんじゃねぇよ。一回だけつってんじゃん、いいだろ?」
「はぁ?!てつもしつこいな…だめよ、だめ!!」

なまえはタバコを灰皿にねじ込み立ち上がる。
そして、バスローブを持ちお風呂へと歩いていく。
その姿を森田はただじっと見ていた。



そして、なまえが数十分たって戻ってきた。
バスローブに身をまとい、長い髪を束ねていた。

「…あれ?ねぇ、てつ。私の下着知らない?」
「知らない」
「あれー?何処で脱いだっけ…」

バスローブ姿で、服を探してた。

「確か、この辺にあったはずなんだけど…」
椅子の付近、机の脚元、ベッド付近を捜す。
が、なまえの下着が見つからない…
半分諦めかけていると、遠くのほうから森田がなまえを呼ぶ。

「なまえ、」
「?あ、てつ!それ見つけてくれたの!?ありがと、さっ、それ頂戴!」
「・・・・やだ」
「…え?」
「いいじゃん、コレからヤりに行くのも同然だろ?下着ねぇ方が都合いいって」
「ちょっと、待ってよ。何を勘違いしてるか知らないけど、別にコレから仕事だって言ってんでしょ?」
「だから、いらないだろ?どうせ、巽さんに会った後銀さんにでも会うんだろ?酒勧められるかしらねぇけど、最終的には銀さんとスるんだろ?」
「あのね、何餓鬼みたいなこと言ってんの?莫迦なの?子供じゃないんだからさ…早く私にその下着返して」
「……じゃぁ、SEXして俺が満足したらいいよ」
「っち、(何こいつ…)…嫉妬?醜いよ」
「嫉妬…あぁ、そうだね。嫉妬だよ。醜くてもいいや。だってなまえを誰にも渡したくないんだもん」

サラッと、恥ずかしい事を言う。が、今の二人にとってはそんな事恥ずかしいの域には達していない。

「渡したくないって言うのは嬉しいけど、仕事と恋愛はごちゃ混ぜにには出来ないの、てつも知ってるでしょ?!」
「知ってるよ。俺は仕事じゃないもん。まだ俺は時間がある。だからヤろうって言ってるんだよ。それがなまえが駄々をこねるように嫌だ嫌だって…」
「駄々をこねてるのはてつでしょ!?何、私が巽さん所に行くのがそんなに嫌?私は最初言ったよね、『巽さんの所行くけど、てつも一緒に行く?』って。でもてつ『行かない』って反対したじゃん」
「したね。だって行きたくないもん。他の奴となまえが一緒に居る所なんか見たくないし」
「…はぁ、埒(らち)が明かなわ、もういい。コンビニで買うから。それあげる。一人残って処理してれば?それ、今日まで私がはいてた奴だし。」

といって、なまえは下着を着ず、服に着替えた。
ノーパン、ノーブラ主義はないが、仕方がない。寝るときはノーブラでいたがノーパンの経験が少ないため少し違和感を感じる。

「(っち、あのバカてつ!!)」

イライラしながら着替える。と、感情が不安定なのかストッキングがリズムよく履けない。

「(あれ、もぅっ!急いでるのにっ!!)」

と、なまえの傍に森田が近づく。

「…?何?笑いに来たの?」
「違うよ。」
「じゃぁ何?…っと、えっ!ちょっ!!」
片足立ちしているなまえの肩を少し強めに自分のほうへと引き寄せる。
すると、態勢を崩しなまえは片足の膝がつき、手もついたがバランスが上手くとれずそのまま倒れてしまった。

「いったーい…ちょっと!バカてつ!!何すんのよっ…って、ちょっとてつ?まってっ、ちょっとまってって!!!」
「五月蝿い」

途中まで履いていたストッキングに手をかけ、思いっきり引っ張り布を引き裂いてしまった。

「履けないならいらなくね?」
「まって、わかった。一回してあげるから。ね?だから、その乱暴はっ、痛っー、」

森田はなまえに思いっきり平手打ちをする。
「もう、遅い」
森田が一言なまえに言うと、その後は黙った。
なまえが叫ぼうか、誤ろうがかまわずなまえの途中まできていた服などを、破くように脱がす。
脱がすというより、無理矢理引っ張るという表現が正しい。
途中途中、なまえの頬を叩いては大人しくさせたり、髪を引っ張ったりする。


「いやっ!てつ!!やめてよっ、ごめん!誤るからっ!!巽さんの所、行かないから!!痛い!!てつ!!!」
「………」
「てつっ、やめてよ・・・ぎ、銀さんに言うよっ!!」
「Σっ、」

一瞬銀二の名前が出ると森田の手は止まった。

「また、銀さんか…いっつも銀さんだな。俺より銀さんの名前よんでんじゃねぇのか?」
逆効果だった。
なまえは必死に抵抗していたが、それもむなしく無理矢理森田に口を塞がれる。

「ん゛っ!!んぐっ、」

離れようとするが、力が強く離れることが出来ない。
なまえは必死に抵抗してたため、髪留めが取れてしまう。

「はぁっ、はぁっ・・・」
「そんなに銀さんが良いかよ…!」
「……ひっ、く、うっ」
「答えろよ!!!」
「…、もう、やめてよ・・・」
「てめぇ・・・この期に及んでまだやめろだ?!意味わかんねぇ…胸糞悪い!」
「うっ、うっ・・・」
「泣きゃぁすむと思ってんのか…?なぁ!!!」

恐喝するが、なまえは何も答えず、ただただ泣いていた…

「もういい、わかった。この際俺が満足いくまでヤってやるよ。もうしらねぇお前がやめろだごめんだ言ったって絶対にやめないからな」

森田はなまえの膣へとブツを入れようとした。
先ほどヤったといえど、何もしていないため濡れていなかったが、そんな事お構い無しに森田は無理矢理ねじ込む。

「Σ!い―っ!!」
激痛が走る。
「っはぁっ!、いやあああっ!!」
なまえの叫び声など、森田にとっては心地の良いBGMでしかない。
「(キツいな…しゃーねぇ)」
森田は、入れたまま前のめりになり、顔を近づける。
「なまえ、苦しいか?」
「あっ、っーっ、」
言葉になっていなかったが、首を激しく縦に振る。
「そうか、……っ、」
と、言うと、今度は先ほどとは打って変わってやさしめのディープキスをする。
口の中をかき回すなんてことはしない、ゆっくりと互いの舌を絡めあうよう。
と、なまえの息が少しずつだが整ってるのがわかる。
森田は空いている手でなまえの胸を揉む。時折、なまえが感じる声が水音と混じって聞こえる。
中に入ってるブツがゆっくりと動けるようになる。
「なまえ、」
「はぁっ、はぁっ、て、つ・・・」
「…、動くぞっ!」

腰を動かしていく、そのスピードが徐々に速くなるにつれなまえが喘ぐ。
その姿が森田にとっては何故か新鮮で、今までに求めていたものが一気に叶ったという感じ。

「あっあぁっ、てつっ!」
「(あぁ、やばっ、気持ちいいな…)なまえっ、気持い、いか……?」
「ひぃっ、うっあぁあっ、……、」
「可愛い、はんっのう、できんじゃ、ねぇかよっ!もっと動くぜ…っ、」
「アァアッ、あっ、うあぁあッ!」

角度を変えたり、思いっきり奥へとついたり、色々試す。
今まで出来なかった鬱憤(うっぷん)を晴らすようにして、森田はなまえを抱いた。

「アッあっ!!てつ、イ……うぅっ、」
「そろそ、ろか?…はぁ、はぁっ。やべぇな、気持ちよすぎてイキたくねぇかもな……、」
「ウンンッ、はぁっアアッ!!」
「くっやべぇっ!!」

ドビュッ

「はぁーっ、はぁ、はぁっ、……てつ・・?」
「はぁはぁ、あ?んだよ、」
「はぁはぁ、すき、だよ。てつのこと・・・大好き、」
「……床で、寝そべって、言う事か?……」


なまえはあぁ言ったが、本心傷ついているに違いない…
と、森田は自ら愛おしい彼女をめちゃくちゃにした事を、後悔した。



嫉妬 END



キリ番のリクエストでした!!
長い!兎に角長い!こういうのを一般的には
「長編」というんでしょうか?…でも、二つに文区切る気もない←おい!

リクエストしてくださった方、本当すみません!
長くなってしまった…いかがでしたでしょうか?

このサイトで初の裏だよね。うん…
読みにくい点、誤字脱字きっとありますね…うん。もう私読むのめんどくさいですもん←
自分で書いときながね。ホント・・・おばか。
森田が銀さんに嫉妬して…って言うのに、「巽さん」が出てきすぎたから、「巽さん」に嫉妬しちゃう森田さんみたいな…

しかも、森田さんの事今回「てつ」って呼んでます。夢主。
漢字の「鉄」にしようか迷ったんですが、平仮名でいいやーってなってこうなった。
私自身、呼んだことないです。森田さん事「てつ」だなんて。

そして、今回ちょっと原作にそってみました。
ね、あのーセザンヌの絵のところ。あそこの森田氏のSというか何処までも追い詰めるというか…もー好き。Sてつ好き。

さっ!というわけで、ここまで読んでくださった方、リクエストしてくださった方。
名前存じ上げてないので失礼ですが…ありがとうございました!!





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