彼女はつんぼ。
そして、彼女は口がきけない。
いわゆる、ろう者だ。
彼女に会ったのはそう、かれこれ3.4年ほど前。



俺がふらふらと歩いているとき。
どうもこうもノリにのらないときは、いつにだってある。
そんな時、どこのあても分からず歩いていると、何かにぶつかったのを感じる。
看板のような硬さがない。硬さというか、人とぶつかった感覚におそわれた。

「…す、すいません!!(やべっ、女だ…)」
「・・・・・」

俺が謝る体制をとる。
と、彼女も頭をさげた。

「あ、あのけが、ありませんか?すいません、俺、よそ見しちゃってて…」
「・・・・・」
「??あのー?」

彼女がなにも反応を起こさない。
反応以前に、かばんの中を漁っている。
もしかして、銃で撃たれるんじゃないのか。
ざわ・・ざわ・・していると、彼女がかばんから何かを取り出して、俺に渡す。

「??え?」
「・・・・」

そこには

【耳が聞こえません。】

名刺のような形の白い紙に書かれた一言。

「え?耳が、聞こえないんですか?」
「・・・」

彼女が俺の言ったことを理解したのか、首を縦に振る。
そして、何かを思い出したかのように、もう一度かばんを漁る。
中から、白い紙とペンが顔をだす。

さらさらっ、と簡単に書く。
そして、その紙を俺に渡す。

【さっきはごめんなさい。考え事をしていて、周りを見てなかったの。けがはないですか?】

と。
文章の下には「はい」「いいえ」という字が。○をうてということらしい。

「・・・はい、だよな…えーっと、あなたも大丈夫ですか?っと、」
「・・・・」

彼女は文章を読み、俺の顔を見て二コリっと笑う。
と、彼女は左手をお皿のようにし、その上に右手を垂直にのせ顔の前まで持ってくる。(逆チョップ)
をする。
その様子にわけがわからない俺。
それが終わると、右手を左右に振る。そして、右手をブイサインをし、下にはらう。そして、右手左手の人差し指を立て、近づける。

「・・・・?」

その一例をして、彼女はどこかへ行ってしまった。





それが、彼女との出会い。
後々になって、分かったがどうやら、矢木の妹らしい。
アカギと初めて会った日。矢木が現れた時、一緒にいた。

あの時を境に、俺と彼女の仲はぐんと近づいた。


彼女はつんぼ。
聞こえないけど、俺は彼女の名前をよく呼ぶ。
「なまえ…」
「・・・・・」
聞こえないふりをしているんじゃない。聞こえないんだ。
聞こえないのをしっているが、俺はなまえの名前を呼ぶのが大好きだ。

「なまえー!」

ポンっと、なまえの肩をたたく。

「Σっ!!・・・・」
くちぱくで、【な ん ご う さ ん】と動かすなまえ。
かわいいなぁーと心がほころむ。

「えーっと、きょう、の、おひる、どうする?」

ゆっくりと口を大きく動かしなまえに分かるようにする。

「・・・」

右手を二のサイン 「う」
右手の二のサインを手の甲を見せる 「と」
銃の手を上から下に動かし 「濁音」(ど)
人差し指を←をさし↓に動かす 「ん」

「うどんか!よし、今から作るな!」
「(コクッ)」

笑顔がかわいいなまえ。
耳が聞こえなくても、口がきけなくても…俺は…

うどんができる。
机にはかわいい箸とコップにお茶がそそいである。

「できたよ!なまえ」
「・・・?!」

喜んでいる。両手を上にあげて、いぇーいと言っているようにも見える。
声は出ないが、声に出しているような感覚で喜んでいる。

「はい、めしあがれ!」
「・・・・」

いただきますと、手をあわせくちぱくで言う。
どうぞ、という前に、うどんを食べる。

「おいしい?なまえ」
「・・・・ずるっ??」
「お・い・し・い?」
「ずるっっ、ごくっ。 (コクッ)」
「そう、よかった!」

うどんを食べ終わると、なまえが自らお皿を洗う。
後ろからちょっかいをかける。
くすぐったいからやめてよーというような顔をしているなまえ。
幸せだ。

これは所謂「リア充」というやつだろうか。
そんな言葉はこんな時なかったし、ただのバカップル・・・?


ご飯が終わり、机を囲むように休憩をする。

俺は、ついつい今の幸せの感覚を聞こえないなまえに愚痴を言う。
「・・・聞こえないと思うけどよ、聞いてくれよなまえ。俺さお前の声がいつ戻るだろうなー?っていっつも思ってるんだよ。夢とかで見るんだよ…なまえと楽しくお話してるのを…って、聞こえないよな」

なんて、一人ごとを言う。
なまえはもちろん聞こえてないが、微妙な空気は読み取ることができる。
机に置いてある紙になまえは万年筆で何かを書く。

「・・?」

紙を渡す。

そこには【こっちを見て】と書いてある。
紙をみて、なまえをみる。
机の向かいに座っているなまえの顔が俺の顔に近づく。
なにも抵抗などできず、そのまま唇が重なる。

「Σっ!!!(なまえっ!!)」

唇が離れると、なまえが顔を真っ赤にしている。
そして、手話で何かをしていたが、解読不能。
常に一緒にいるが、さすがに無理だ。

「??」

俺が困ったような顔をしていると、なまえが慌てて紙を取り出し何かを書く。
書いていくのを一つずつ眼をおう。

「…ご、め・・ん、ね。い、・・・きなり、きす、して・・・わ、たし。。つんぼだ、し・・・ろう、しゃ、だから。。。。。なんごうさん、に、め、いわく。。。かけて、わたし…私・・・・・・なまえ…」

なまえの手が震える。眼には涙がたまり、鼻と耳が赤くなる。
なまえの手をゆっくり握る。すると、なまえが驚いたように俺を見る。
俺はゆっくりにっこり笑う。

「大丈夫。俺は、なまえに迷惑なんかかかってない。俺はお前が好きだから。」

「・・・・」

「あ、聞こえないか…えーっと・・・」

俺は適当な手話をがんばる。

「おれ、は・・・お前が・・・えーっと、すき。」

「///////〜ぁーんーあー・・」

しゃべれない喉を一生懸命うごかし、返事をする。
何を言っているのか解読不能のようだが、俺にははっきりとわかる。
彼女も、俺も互いが好きだということが・・・



彼女はつんぼだ。
そして、彼女は口がきけない。
いわゆる、ろう者だ。
そして、俺は・・・彼女の耳になり…
口になる・・・




手っ取り早い伝え方 END



お題企画の夢文が完成しました!!
えーっと、たしか矢木さんに妹はいなかったはず・・・
前も同じような事を書いたような気がする・・・
ま、いいや。

今回はぎりぎりになって提出したということで、
迷惑をおかけしました・・・

夢文を久しぶりにしっかりとかいたので、gdgdのだっせー文になってしまいました。
いいわけなんて言ってもいいたりませんよ。。。

今回「も」厨2くっせー内容になりました。
というか、障害者ネタはあんまりつかってはいけないような・・・
しかも、しょっぱなから差別用語つかってますし・・・
気分を害された方、本当にもうしわけありません。

別のにすればよかったと後悔してますが、この作品でも後悔していません!
ただ、胸をはるような作品ではないことに関しては後悔しています。

まぁ、何が言いたいかと、言いますと…
もうちょっと早く書いてあーだこーだしなさい!
ということです。
はい、すみません。


それでは、いいわけコーナーはここで終了です!


二人三脚のかけら様。
お題ありがとうございました!
三回目があるのを期待しています!
そして、南郷さんをありがとうございました^^
なんごーさん大好き(ニヤリッ





南郷さん 手っ取り早い伝え方
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