「はぁ?村上の連絡先?」
「……はい、」
一条が経営するカジノに入社して約半年…
黒服仲間として村上にはお世話になっていた。そんななまえが一条に村上の連絡先を聞いてきた。
「村上か…ちょっと待てよ…」
と、一条が懐から携帯を取り出す。
色は自分の髪と似た赤色。
キーホルダーはついていない。
「むらかみ、むらかみ……あ、あった。これだ、えーっと…」
「あ、見せてください。直(じか)にうつします。」
「お、そうか…ほら、」
一条から携帯を受け取りなまえは、自分の携帯と一条の携帯に目線を行き来させる。
「……なぁ、」
「はい?」
「なんで、村上の連絡先が今ごろいるんだ?」
「へ?」
口をポカンとさせてなまえは顔をあげる。
若干頬が赤く染まっていた。
「えーっと、な、何となくですよー何となく。あはははー、そういえば、今日はお客さん少ないですよね!!」
話をそらすなまえ。
携帯へと目線を下げる。そして、また交互に携帯を見るなまえ。
「……そうだな。お前が客呼びしたらたくさんくるんじゃないか?」
「えぇ?そんなことありませんよー。私じゃ誰も釣れませんよ。」
「そうは思わんぞ。」
なまえのそばによる一条。顔と目線がまだ下を向いているなまえ。
「…?わっ、店長っ!!」
「どうした?続けていいんだぞ?」
「お、終わりました…携帯、お返しします…」
「なんだ、もう終わったのか。」
つまらんな、と言いつつ携帯を懐に戻す。
「…ありがとうございました。」
「礼なら口ではなく態度でとってほしいな…なまえ?」
「////ば、からかわないで下さい!!」
「からかう?違うだろ?礼を態度で示せと言ったまでたが?お?」
詰め寄る一条。
後ずさりするなまえ。
「(店長、近いっす近いっす!!!)」
なまえがギュッと目を閉じる。
「ふっ、冗談だ。新しい客が来たから、迎えに行ってこい。なまえ」
「あ、はいっ、」
一礼をし、なまえは部屋を出ていく。
ガチャ、バタンッ!!
「……/////(店長にバレちゃったかな…)」
大きく深呼吸し、客の顔を見に行く。
すると、途中で村上に会う。
「あ、なまえちゃん。」
「むっ、まらかみさんっ!!」
「プッ、今、噛んだね。」
ハハハ、と笑う村上。
「///吃驚したから…村上さん今からどこいくんですか?」
「お客様が来たからね。行こうかと思ってね…なまえちゃんは?」
「私もっ、です!!!一緒に…行きましょう!」
「あぁ、いいよ。」
ニコッと、笑顔で返事をする村上になまえの心臓はバクバクと大きくなる。
顔も赤くなりつつある。
「…なまえちゃん?大丈夫か?」
「Σうぇっ!!!な、なんでも、ないっ、ですよ!!!」
「ホント?なんか、あったの?妙にリアクションでかいし…大丈夫?」
「大丈夫です!!!」
「そう?…そういえば、この間さ――」
客のいるところまで世間話で行く。
客は一人で、見るからに金が無いような風だった。
「いらっしゃいませ、当カジノは初めてですか?」
「・・・・え、あ、はいっ、これ」
客が接客する村上にカードを渡す。
確認し、村上がなまえにアイコンタクトをし、なまえがエレベータを起動させる。
中に村上、客、なまえと入る。
無言が続くエレベータの中。客はそわそわしている。
「一攫千金、狙えると良いですね」
「え?」
一言だけなまえが言いそのあとは黙った。
村上はそんななまえの台詞に心で笑う。
客をたぶらかせ、最終的には地下行きへと誘う。
なまえの悪い癖、というかこのカジノの売り。
エレベータが目的地へつく。
扉が開き、村上が先に進み、客を招く。
「どうぞ、お好きなものを…」
客はゆっくりと自分に合う博打へと歩いていった。
「…ふぅ・・・疲れた。休憩室いこっ」
「あぁ」
休憩室へ帰る二人。
少し、沈黙が続く…その沈黙を村上が破る。
「なぁ、なまえちゃん」
「何?」
「いつも思うんだけどよ、客の前で一攫千金の話はしないほうが良いんじゃないのか?」
「そう?でも、そうやっていうとほぼ破損して地下行きだよ。面白くない?」
「…面白いかな?」
「カジノが儲かると、私たちの給料も良くなるよ。そうなったら……」
「??そうなったら?」
「…なんでもない。そのうち分かるよ」
村上さんと一緒に遠く出るんだよ。
こんな変なグループなんかおさらばして
一緒に
遠くに行こう。
お金 END
最初は、明るいものを書こうと思ったんだけど、なぜか暗くなった・・・
どうした、自分…
一条から連絡先聞いたところは良かったんだけどな…
何が書きたかったのか分からなくなってしまった…
シリアスな村上君しか書いてないな…今度は甘いの書こうっと。
シリアスってかシリアスなのか?ちょっとくらめって感じだな。
6 お金