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送信者:遠藤
件名:返事しろ!
本文:
返事をしてくれ…たのむ。
電話でもなんでもいいから返事しろ。
待ってるからな…
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遠藤からのメールを読み携帯をパタンっと閉じるなまえ。
「はぁ…」
携帯の着暦には「遠藤」の文字がたくさんあり、
なまえは全ての遠藤の電話、メールを拒否していた。
あれは1ヶ月前のこと…
遠藤の元で黒服の一員として働いていた。
何事もなく普通に仕事をまっとうしていた…
遠藤はなまえをしたり、なまえも遠藤を尊敬していた…
互いが互い信頼して、良きパートナーとなっていた。
しかし、
ある日を境に二人の仲に亀裂が入ってしまった…
その元凶は「カイジ」
ある日の夏。
遠藤となまえがいつものように取立てしていた時。
二人はカイジの部屋に殴りこむように入る。
動揺するカイジに余裕な二人。
取立ての話をし、カイジをエスポワールへと誘う。
そこまではよかった。
しかし、エスポワールから帰ってきたカイジがコンビニで働いていると
黒服の口コミでなまえが情報を入手し、会いに行くことにした。
そこから、なまえの気持ちが揺らいでいった…
「―ったくよ、何で俺がこんなことっ!しなくちゃいけねぇんだよ!!」
「大変ね、カイジ」
「あ?…あ。。。お前、遠藤さんと一緒にいた・・・えーっと、」
「なまえよ。偉いじゃない。ちゃんと仕事してるだなんて。」
なまえがカイジの全身を見るめる。
「…と、言っても…その様子じゃぁ後もって三日ね」
「あぁ?んだよ、なんでお前にわかんだよ。」
「勘よ。かーん。いったい私が何人のクズを見てきたと思うの?」
「クズ呼ばわりかよ…」
「クズにクズって言ってなにが悪いの?ん?」
なまえがニヤニヤと笑う。
そんななまえにカイジはふつふつと苛々感を覚える。
もしバイト中でなかったら一発殴っている。
「何も言い返せないみたいね。」
「…なんか、用かよ…」
「別に、風のうわさでここで働いてるって聞いたから見に来ただけよ。気にしないで。またくるかもしれないけど。」
「くんじゃねぇよ。」
「つれないなー、良いじゃん。私は弱いクズのがんばってる姿が好きなの。好きで好きで、ぐちゃぐちゃにしたいくらいね。」
「変態が…」
「ほめ言葉有賀等。じゃね、店長さんに怒られないようにしっかり働きなークズ〜♪」
「てんめっ!!痛っ!!んだよ、……あ、」
『何やってんだ、ちゃんと働け!』
店長がカイジの髪の毛を引っ張る。
言い訳をしようと、なまえが行ってしまった方向に指をさしたが、
なまえにはもういない。
店長は
「莫迦な事言ってないでさっさとごみだし行って来い」
と怒鳴っていた。
カイジは大きな舌打ちをし、仕事に励んだ。
それからというもの、なまえがカイジの働いているコンビニにちょくちょくと顔を出すようになった。
その度にカイジをからかい、カイジを怒らせる。
「てめぇ!また来たのかよ!!」
「あ、仕事終わった?これから飲みにいかない?勿論、カイジが奢りね」
「ふざけんな!てめぇなんかに奢るかよ!!」
「良いから良いから!ほらいくよー!」
なまえがカイジの袖を掴み無理やり居酒屋へ連れて行く。
途中、カイジから「離せ」やら「莫迦」やらと罵倒されていたが、
なまえそんなことは気にせずお気に入りの居酒屋へ連れて行く。
『いらっしゃいませー!』
「二人で、個室まだある?」
『はい!個室ですね、今案内します!』
個室へ導かれる二人。
なまえはニコニコしていて、カイジはふてくされている。
『先に、飲み物お願いします!』
「うんとー生…カイジ、飲む?」
「…あぁ」
「生二つ。それから、コスモミュウルお願い」
『はい!生二つとコスモミュウルですね。かしこまりましたっ!』
店員が元気よく個室から出て行く。
「麦酒も飲んで混合酒も飲むのかよ」
「コスモミュウルは食前、食事中、食後とか関係ないのよ。あっさりしてて口当たりが良いから好きなのよ。だから頼んだだけ。」
なまえがカイジに混合酒は嫌い?と問いかける。
カイジは首を横にふり、「別に」と答えメニューを見た。
なまえもメニューに目を落とす。
「今日はあんまりお腹すいてないのよねー・・・うーん。ハツ…あーでもなぁどうしよう・・・」
「なんで俺を誘ったんだよ」
「ん?」
カイジがなまえを睨む。
「何で、腹も減ってないのに俺を誘ったんだよ…」
「何でって…カイジとお酒を交わしたかったから」
「…違うだろ。」
「ちがわないよー。ホント。私はカイジみたいなクズとお酒呑みたかったの」
「クズって言うな」
「ごめん。もう、口癖なんだー。『クズ』ってのが。悪気はないの。ただポロって出ちゃうんだ…」
「悪趣味が…」
「……ごめんね。カイジ」
「…(んだよ、こいつ…)」
会話が途切れたと同時に、店員が麦酒と混合酒を持ってきた。
『お待たせしましたー!…っと、ご注文はお決まりですか?』
「えーっと、馬刺しのユッケと、センマイ…」
「ねぎま2本と軟骨2本。それから、軟骨のから揚げ…」
「後ー、大根サラダ。」
「俺もいいや。」
『はい!ご注文繰り返します!ねぎまが2本、軟骨2本、軟骨のから揚げ、大根サラダ、馬刺しユッケ、センマイ。以上でよろしいですか?』
「はい。」
『はい!少々お待ちください。失礼します!』
店員が元気y…((ry
「2本って、遠慮してんの?」
「は?俺の金だろ?」
「え?ホントに奢ってくれるの!?良いわよ、クズ…あ、カイジに奢ってもらうなんて恥よ恥。私が持つから、食べて良いわよ」
「……帝愛がか・・?」
「帝愛じゃない、私から。全く、疑いやすいんだから…エスポワールでなんかあったの?」
「Σっ……いや、別に…」
「ふーん。あ、コスモミュウルおいしい。」
暗くなるカイジの顔。
そんなカイジをなまえは優しく見る。
「…ねぇカイジ」
「あ?」
「……ホテル、行かない?」
「Σはぁ!?」
「私ね、遠藤さんに黙ってあなたに会いにきてるんだ…どこまで言ったら遠藤さん気づくかやってみたくってね。」
「ごめんだ。ほかの男でやれよ」
莫迦じゃねぇのか、といいながらカイジは麦酒を呑む。
「ダメか…カイジの事、結構気に入ってるんだけどな…」
「知るか。俺はごめんだ」
「…じゃぁ、こうやってもノル気しない?」
「は?なにっ――、っ!」
なまえがカイジの席まで歩きカイジの両頬に手をそえキスをした。
「Σ―っ、なにすんだよ!!!」
「キス。」
「てめぇ、わかってのかよ/////」
顔を赤くするカイジ。
そんなカイジをかわいいなぁと思いながら見る。
「ホテル、いこっ」
「………/////」
〜
結局居酒屋を出た二人は、カイジの家に行きそのまま体を重ねた。
遠藤は知らない。
「ふあぁ・・・・」
起き、なまえの隣に寝ているカイジを見る。
「(すげぇ、ホントにやっちゃった…遠藤さんにばれるかな…)」
一人ニヤニヤしながら服を着替える。
着替えが終わると、なまえはカイジに「ばいばーい」と一言そえ、出て行った。
その足で遠藤金融に行く。
ガチャっ
「(…だれか、いるかな)・・・?」
「なまえか、遅かったな」
「Σっ!え、んどうさん・・・(びっくりした…)」
「どこ行ってたんだ?」
「あ、いや。ちょっとてこずってて…」
「朝帰りとは、セッ○スしたのか?」
遠藤がゆっくり近づく。
近づく遠藤が何故か怖く思えてしまうなまえ。
後ずさりする…すると、遠藤の足が早くなる。
そして、どんどん後ろへ移動すると、壁にあたる。
びっくりして、後ろを振り返るとそこは壁。
「あ、…遠藤さん…」
「最近、帰りが遅いけど…誰かと会ってるのか?」
「え、あ…それは…」
遠藤が壁に手をつける。
そして、遠藤がなまえの首筋に顔を埋める。
スーっと、息を吸うのが聞こえる。
「(ゾクッ)え、んどうさんっ、」
「嗅いだ事あるようなにおいだな…これは…」
首元にキスマークを見つける。
「気持ちよかったか?俺以外の…あぁ、カイジか」
「Σっ!!え・・・?」
「図星か?どうも最近おかしいと思ったよ。黒服から聞いてみりゃぁカイジの所に行ってるって言うからよ。今日も行ってきたのか…気持ちよかったか?」
遠藤の手がなまえの腰やらお尻を弄る。
その感触がいやに気持ち悪く思えて、なまえが
「やめてくださいっ!」
と大きな声で、抵抗し遠藤を突き飛ばす。
「どうした?いつも抱き合ってるだろ?いいじゃねぇか。俺が本命なんだからよ。な?なまえ…」
手を伸ばす遠藤の手をなまえは振り払い逃げ出した。
その行動に遠藤はびっくりしてしまい、なまえの名前を呼ぶ。
が、なまえは立ち止まる事なく逃げる。
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送信者:遠藤
件名:無題
本文:
どうして返事をしない…
信じたくはないが、カイジと何かあったのか?それとも、俺の勘違いなのか・・・?
あれ日は悪かった…
もう無理やりしないから…戻ってきてくれ…
なまえ…なまえ…
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今日も携帯が一日中鳴り響くのを
なまえは泣いて聞いていた。。。
非通知 END
珍しい遠藤のシリアスを書いてみた。
なんかね、カイジと恋してみたくなって
「あ、じゃぁ遠藤さんの夢で不倫しちゃえ!」
とか思って書いたやつ。
そんで、メールの文ってのも挑戦したかったから、いろいろと試作ですw
今回のBGMは
「【作業用BGM】FF1〜10泣ける曲集」
です!
最近そういえば泣いてないなーって思って、
コレ聞いてたら、泣けてきて…
涙腺弱いです。
泣きながら書いたって言っても嘘じゃないww←
遠藤さん…せつねぇ…
好きだ。ごめんね、遠藤さん。次は、甘いの書くから^^
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