人には嫌いな食べ物や好きな食べ物。
そして、苦手なものや食わず嫌いといったものもある。

しかし、それ以前に食べ物の見分けをつけなければいけない時がある。
ただ、口にして
「これまずい」
「これきらい」
なんて、子供のようなことを言ってられない。

しかし、世の中にはこんな大人がいるのだった…



「じゃぁ、ブロッコリーを指差してください」

「えー・・・っとぉ・・・」


机の上にはブロッコリーとカリフラワーが置いてある。
南郷は白いのと緑のを見比べている。


「あ、、えーっと。。。あー・・・」

「まじですか。南郷さん・・・」

「え?あ、うん…どっちかな?」

「わかんないの!?」

「わかんない…」

「はぁ・・・」


頭を抱えるなまえ。
そりゃそうだ、大の大人がブロッコリーとカリフラワーの違いがわからないなんて。


「阿呆」

「え?阿呆?!なんで、そんな事言うの!?」

「だって、本当のことだし。あ、もしかしてコレもわかんないですか?」


と、なまえが冷蔵庫の中からきのこを出してきた。


「はい!どれがエノキダケでエリンギでブナシメジかわかりますか?」

「。。。きのこは、わかる」

「じゃぁ何でブロッコリーとカリフラワーの違いがわかんねぇんだよ!!!!」

「お、怒るなって・・・」


ありえなかった。
きのこがわかるくせに、なぜ子の二つだけわからないのか。


「Σ!?も、もしかして・・・南郷さん、ブロッコリー嫌いですか?」

「え?うんん、食べれるよ。俺は好き嫌いないからね。」

「ただただ、わからないだけか・・・(なんて脳みそしてやがるこいつ・・・)」

「えへへ」

「えへへじゃねぇよ!」


突っ込み、というかもはや怒鳴り散らしてるだけだと思うが・・・
南郷がかわいそうに思えてくる。
が、なまえの怒鳴りは終わることを知らなかった。

延々と南郷に怒鳴り散らし、次第に南郷も軽く涙目になってきた。


「(なんで、こんなに怒られなくちゃいけないの・・・)・・・なまえ、」

「何!?まだ、話終わってないよ!!!」

「違うよ、おなかすかない?」

「え?・・・・・・」

なまえの言葉が止まると、面白いことに
お腹の虫が声を上げた。

グリュゥウウ・・・

「////あ、確かに・・・」

「じゃぁ、今から俺が料理するから。何食べたい?」

「え?私がつくらから良いよ。」

「良いよ、今日は俺が作るから、なまえはゆっくりしててよ。何食べたい?」


南郷が爽やかに笑うものだから、どきどきしてしまうなまえ。


「(っち、くそ南郷が・・・南郷のくせに・・・)ピーマンを使ったチンジャオロウスが食べたい。。。」

「わかった。じゃぁ今から作るね」


と、南郷はキッチンへ向かった。
すると、すぐに何かを思って帰ってきた。


「??どうしたの?」

「どっちがピーマン・・・?」

「・・・はぁ」


なまえはゆっくりと腰を浮かし南郷に近づく。
そして、南郷が持っている二つのピーマンを持ち。

「…両方ともピーマンだよ。赤いほう食べてみて、とっても甘いから」

「え?・・・」

生の赤いピーマンを口に含む。

「(パクッ)……ん!」

「この赤いのはパプリカじゃなくて、ピーマンの一種でよく熟してあるからとっても甘いの。だから買ってきたんだ。うちにはパプリカはないから、気にしないで作って良いから…」

「わかった!」

「それと・・・」

「??」

「あんたピーマンの違いもわかんないの!?阿呆ってさっきは言ったけど、莫迦よ!莫迦!!!」

「ひどいなー」

「ふんっ、酷いって思うなら私のためにおいしいチンジャオロウス作ったら?」

「わかったよ…」



ふぅっ、と、南郷は軽いため息をついていた。
そのため息は、罵倒されがっかりしたため息ではなく、
「わかりました。お嬢様・・・」
と、言う意味だというのは、南郷しかわからないのだった。



完熟 END



memoで野菜のを書く!
って言ってたので書きました!!
南郷はブロッコリーの違いがわからないような阿呆ですよ。
皆さん、かわいくないっすか?

でも、料理は上手だとおもう。だから、許せます!
南郷が野菜の違いがわからなくたって許す!
だって、きのこは違いわかるんだもん!!





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