夢主が幼女というか子供です。



『いらっしゃいませ。お客様…2名さま・・・ですね?』
「…あぁ。」
『…あ、お子さま用の椅子はお使いですか?』
「…あーっと、なまえ使うか?」
「うんん。」
なまえは顔を横にふる。
「いらねぇわ。」
『…はい。じゃあ今から案内しますね。』

時間は子供はもう布団で寝なくちゃいけないような時間。
とある、ファミリーレストランに遠藤となまえが来店した。
しかも土日ならわかるが平日の夜。
店員は遠藤達を適当な席に座らせ、接客する。
それを遠藤は聞いているのか否か、適当に相槌を打つ。

『そ、それでは、ご注文が決まりましたらお呼びください。しつれいします、』
「あ、」
『っ!は、はい!?』
「タバコ、すいてぇんだけど…ここ全禁煙席だったりする?」
『え、あっはい…すみません、うちは全席禁煙となっております…』
「……そうか、」

店員が机から離れた。
そして、中に戻りひそひそ話しをする。
そんな事もお見通しの遠藤だったが睨むなんて愛想が悪すぎて逆に出て行けと言われてしまうので聞こえないフリをした。

「タバコすえなかったね」
「てめぇが、言うな。んで?なまえ。何食うんだ?」
「うんとー…うーん…」
「どーせ、腹へってねぇんだろ?」
「空いてるもん!…遠藤さんは食べないの?」
「俺はいらねぇ。コレから仕事あっからな。眠くなったらかないっこねぇ」
「ふーん。…んーじゃぁーこれ!」

なまえが指差したものは大人の食べるような鉄板の上にお肉がドンッとのっているもの。

「莫迦か。誰が食うんだよ!」
「なまえが食べるもん!」
「食えるか莫迦!お前はこっちだろ?!」

メニューを閉じ別の紙を差し出す。

「お前はお子様だろ?これ頼んどけ」
「えー」
「えーじゃねぇ。ほら、さっさと頼め」
「…ぶぅ…。あ、遠藤さん!遠藤さん!」
「あ?んだよ」
「ほら、これ!」

なまえが指を刺したのはパンケーキ。
しかも、パンケーキに絵が描けるようにチューブのチョコがついたもの。

「これがいい!」
「(絵が描きてぇんだな…まぁ、値段もいいか。お!ドリンクバー頼んだらコーヒーのめんのか…)よし、わかった。いいぞ」
「やったー!」

遠藤が呼び鈴を鳴らそうとすると、それを察したように店員が小走りで来た。

「(はやっ)」
『お決まりですか?』
「あぁ、これ一つ。あとこれつけて。」
『はい、えっと以上ですか?』
「あぁ」
「遠藤さん」
「なんだ、」
なまえが先ほど見ていたメニューを広げて小さな指で一つの商品に指をさす。
「これたべたい」
「はぁ?!おめぇこっちにも同じの…(・・・ねぇ)っち、わーったよ。えっとすいません、これも」
『は、っはい!えーっと、ご注文繰り返します。お子様パンケーキのドリンクバーセットがお一つ。山盛りポテトがお一つ…以上でよろしいですか?』
「はい」
『かしこまりました。ドリンクバーはあちらにございます。コップもありますのでご自由におつかいください。それでは失礼します』

店員が一礼し、机から離れる。

「ったくよ、てめぇは食えんのかよ!」
「だってー、ポテト食べたかったんだもん…」
「食えよ!おめぇ絶対に食えよ!」
「うん!!」
「はぁ・・・ちょっと、俺コーヒーとってくるからここで大人しくしてろよ」
「うん!」

遠藤が席を離れドリンクバーでコーヒーを入れる。
その間なまえは大人しく席に座っていた。一端(いっぱし)に新聞を読むようにメニューを眺めていた。
色とりどりなメニューがなまえの目にやきつく。
匂いが届きそうなくらいリアルに焼いてあるステーキ肉や、きれいに飾られているサラダ。そして、冬のネオンのように煌びやかなデザート。
どれを見てもおいしそうに見えた。

「・・・おいしそうだな…」
「ん?なんだ、なまえ。まだそんなもん見てんのか?増やさねぇからな」
「わかってるよ。美味しそうだな〜って思って…」
「そうやって見せてるだけだろ?」

夢のない事を言う遠藤。
そんなこんなで、なまえの頼んだお子様メニューが届く。

『おまたせしました。お子様パンケーキです。』
「わぁきたぁ!」
「おい、礼は!?」
「あ、そっか。ありがとうございます。」
座ったままだが、店員にペコリと頭をさげ、そしてニコニコと笑う。
店員はなまえの行為に思考が止まってしまい、お子様メニューを落としそうになる。
『Σっ!あ、すみません。はい、どうぞ。』
「わーい!いただきまぁーす!」
『しつれいします』

店員は一礼し、その場を離れる。店員の心拍数はどんどん上がっていった。今までに経験のないことだからだ。
遠藤のような強面で見た目がヤンキーの様な人が小さな子供を連れてきた事も経験がないし、その遠藤とは真逆で笑顔が耐えない子供。しかも女の子。
店員の頭の中はどうしていいのかわからなかった。

「おつつ・・あ。。あー・・・遠藤さんー」
「あ?うわっ!お前何やってんだよ!」
「だってーチョコがびやぁって・・・」
「っち、はぁ・・・あーそれ放せ!ほらっ!!これで、手拭け。ぜってぇ服で拭くなよ!!」
「うん。」
「俺が、チョコかけるからいいな?」
「あ!」
「あ?」
「遠藤さんの似顔絵描いて!」
「・・・手を拭け莫迦」
「かいてよー!!かいてー!!かいてかいてかいてかいてー!!」
「あーうるせぇうるせぇうるせぇ!」

ぎゃあぎゃあともめていると、フライドポテトを持って店員が戻ってきた。

『し、失礼します…お待たせしました…山盛り、ポテトです』
「・・・あ?あぁ、わりぃその辺おいと居てくれ。」
『あ、は、っはい!ご、ご注文は、おそろいです…か?』
「あぁ!!描かねぇつってんだろ」
「やだやだ!描いてよ!!!」
『Σっ!し、しつれいします!!!!』

店員は半泣き状態でその場を後にした。そりゃそうだ。流石に子供対での言い争いだが、容赦しない遠藤が怖く見えて仕方がない。

「うるせーんだよ!さっきから!!かかねぇって、ほらこうしてやんよ!!」

遠藤はチョコレートを適当にぶっかけ、その後スプーンで引き伸ばした。
パンケーキは茶色になった。

「おーうまそうじゃねぇか」
「あ・・・あぁー・・・」
「…え??」

なまえの声が急に止まり、遠藤が恐る恐る見る。すると…
なまえの目には涙がたまり、鼻が少しずつ赤くなっていた。
子供が泣く5秒前・・・・
「Σ!なまえっ!!!あ、あっ!」
よんっ
「うっ、うっ・・・」
さんっ
「っち、あー!!なまえ!!」
にいっ
「うぅ?」
いちっ
「見ろっ!!」
ぜろっ
「・・・あ、サングラスだ・・・」
「(ふぅ。。。泣き止んだっ)…ほら、さっさとこれ食え。今度俺がもっとでっかいパンケーキに俺の似顔絵描くからよ…今はこれで我慢しろ」
「……ほんとおっ!」
なまえの目がきらきらしている。まだ鼻が若干赤いが、機嫌はなおったみたいだ。
遠藤は一息つくようにコーヒーを飲み干す。
「はぁ…芋、旨いな」
「うん!遠藤さん、遠藤さん」
「ん?」
「あーんっ、」
「…はぁ、あー」

フライドポテトがこんなにも美味しく感じたのは初めてだと思った瞬間だった。



お子様メニュー END



memoで妄想してたら、ホントに書きたくなって書いちゃった。
いいよね。拍手もきたし。
調子乗りすぎました。すみません。
いやね、私自身小さい頃はもう身長があったのでお子様の年でもお子様と見なされてなかったんですよ。ですので、苦い思い出がありますね。
身長高いくせに、中身はホント子供で私だけお子様ランチが頼めなかったってだけで泣いていましたからね。←

だから、今これで遠藤さんにいっぱい甘えます(笑
遠藤さんの画才は素晴らしく酷いと思います。遠藤さんごめんなさい(笑←こらっ





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