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暑い……。寒くて長い冬が終わって、やっと春らしくなったと思えば、途端に暑くなった今日この頃。起床の時も汗が酷くてシャワーを浴びてから出勤をするから少し早起きをしなきゃいけないのは辛い。

にしても本当に暑い……アラームがまだ鳴る前に携帯電話を取ろうと手を伸ばしたが、届かなかった。

…というよりなにかに阻まれた。驚いて目を開けるとそこにいたのは眠っている降谷さん。

疑問符が浮かぶ。昨夜は久しぶりに早く帰宅したけれど、一人で眠ったのは確かだった。いつの間に来たんだろう。
知らない間にこんなにくっついて眠られるのは心臓に悪い。


「降谷さーん……?」


恐る恐る声をかけても反応はなし。
頬を突付いたり、摘んだり、と遊んでみる。


「ふふっ…かわいい」


こうまでしても意外と起きないものなのか?私の手で弄ばれる彼の顔が可愛く見えてつい笑いがこぼれる。

普段は端正な顔立ちをした彼のあどけない寝顔は貴重。人差し指で彼の輪郭をなぞりつつ、唇を近付ける。

吐息が近くてドキドキする。唇が触れるか触れないかのギリギリの距離で名前を呼んだ。



「零…っ?!」



その瞬間にぐるりと視点は暗転され、深いキスを受ける。口腔内を逃げ回る私の舌を絡めとり蹂躙される。息をつく間もなく、しっかりと犯されていく私の脳内は蕩けそうだった。


「朝から襲われそうになるとは油断も隙もないね」

「っふ、は、ぁ……起きて、たの…?!」

「僕を誰だと思ってるんだ?僕に可愛いなんて言ったお仕置きもしないとね」


私の上に乗った零はシャツのボタンを外して髪を掻き上げた。


「ちょ、これから仕事……ひゃっ」

「たまには遅刻もいいだろう?僕は君の上司なんだしいくらでも誤魔化せる」


そういうなり、零は私の首筋に顔を埋めてぺろりと舐めた。ぴくっと反応して思わず悲鳴を上げて口を抑えた。
こら、と言う零の吐息が首にかかってさらに身体は跳ねる。零は顔は動かさないまま、口を抑えた私の手を零のそれで拘束する。


「全く……こんなソソるような格好で寝て……僕だからいいものの……寝てる貴女を襲うのを我慢したというのに」

「だって……暑いんだも、ん…!!」


タンクトップと下着しか身につけていない私の太ももを零は空いている手で撫でる。


「零……!」

「おや、そんな顔をされるともっとしたくなる」

「ちょ、」


顔を上げた零と目が合う。火が点いた彼の瞳はもう今日は仕事に行けるのだろうかと不安になってきた。だけどそのときはその時で彼も言ったように上手く誤魔化してくれるだろう。図らずとも煽ってしまった私も悪いが、責任は取って頂こう。

どちらからともなく再びキスをして朝日を浴びるなか、彼と一緒に息をする。





180424


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