恋愛なんて、めんどくさい。 ただ繋がってるだけで、私は幸せ。 そう、幸せなのよ。 「興醒めだ」 「……晋すっぅ、ん!」 あたしを見下ろす鋭い目はそう言った。 名前を呼ぼうとしたけど、口は塞がれてしまうし。 口内を蹂躙する舌の感触はどの男よりもこの男が気持ちいい。 「ふ……ぅ」 「何考えてんだお前ェ」 「しいて言うなら何も考えてなかった」 「あぁ?俺の下でいい度胸じゃねぇか」 「そうだよねえ、らしくなかった」 啄む、なんてかわいらしくはない、まるで噛むようにキスをくれる晋助。 「ふん……別にお前が何考えてようと構いやしないが、気に食わねぇなァ」 「やだ、ねえ拗ねてる?」 おどけて言ってみたらギロリと睨まれたのであははと誤魔化す。 伸びてきた手がグッと私の首を絞める。 「っ……ぐ…!!」 クククッと嗤う声が上からして、身体が強張る。あ、落ちそうーーーと思ったら力が弱まって、やがて晋助の手が離れた。げほげほと咳き込む私を見て晋助はまた笑った。 「げほっ……はっ、はぁ……ちょっとそれ辞めない?変態すぎるわ」 「よく締まってこっちは気持ちいいんだがな」 ゆっくりと晋助のペニスが私のナカから出たと思えば激しく突いてくる。いつの間にか両手は塞がれて、晋助の言い様にされる。でもそれがすごい感じるから私も大概変態だ。 気持ちいいのはある種、罪だと思う。 「帰るの?」 「どうしたもんかな。他の男のこと考えてる隣で寝れはしねぇな」 「考えてないわよ」 どうだか、と言って煙を燻らせる晋助。晋助は優しいからそんなこと言っても傍にいてくれる。誰かさんと違って、優しい。行為中との性格の差にギャップがありすぎる。 「寝るのか」 「眠たくなってきた。ねえ、一緒に寝てくれるでしょ?」 「あァ……そうだな」 布団をかぶって晋助の腕を引く。煙管を置く音がしてから、晋助も同じように布団に被って私の頬を撫でた。その感触が気持ちよくて自ら頬を擦り付ける。 「おやすみ」 「あァ」 すぅすぅと寝息を立て始めた名前を自分の胸板に押し付けた。こうするのが名前が喜ぶと思って。 「いつになったらお前の寂しがりやは治るんだか、わからねぇな」 歪な"交友"関係をいつまで続けるのか、そろそろ一人に絞ってほしい。それとも、本気でこいつを独り占めにするか、それもいいな。名前を抱きしめる腕に力が入る。 手に入れてしまえばーーーそれは名前の意志と反するだろうがふらふらとされるのは気に食わない。 20180421 |