ガチャリ、とノックもなしに扉を開ければその先は――――。
「名前……って、わ、わりぃ」
「ノックくらいしてよアルの変態」
キャミソールを今まさに脱ごうとしていた名前が小さく溜め息を吐いて俺を見る。これが恋人同士なら後ろめたい気持ちもないのだが、ただの幼馴染みなのだから質が悪い。そもそも顔色も変えずに淡々と変態と言う名前とは反対にばくばくと心臓が高鳴ってしまった。
慌てて閉めた扉に背を預けながらしゃがんで熱が一気に集まった顔を隠すように手で覆う。
「あー……」
キャミソール姿とはいえ、成長した彼女の身体は白く透き通りそうな肌色で、くびれとか、胸とか……。
「なに考えてんだ」
「なに考えてたの?」
がちゃりと再び開かれた扉に、凭れこんでいた俺は後ろに倒れる。下から見上げる彼女は着替えが終わったようだ。
「いや、なにも」
「……それより何の用?」
「特に用はねぇっつーか」
「……嘘」
そっと、彼女の指が俺の顔に触れた。目の下に出来た隈を擦るように優しく。
「眠れないの?泣き虫アルフレド」
その指を、手を掴んだのは何故か。同い年なのに大人ぶった彼女が気に食わなかったからか、先程の姿に欲情したからか、よくはわからない。
「……アルフレド?」
「寝かせてくれよ」
頭の上に疑問符を並べそうなほど首を傾げた彼女の小さな身体を抱きしめ部屋に入る。名前を呼ばれても、既に唇を貪り、話す暇さえ与えない。
「っ、ん……!!」
ゆっくりとベッドに倒れ、唇を離すと、名前が睨んだ目で俺を見る。
「嫌なら、抵抗しろよ」
一発は殴られると思っていた。だけど、伸ばした両手は俺の首に巻き付けられ、馬鹿、と一言。ゆっくりと彼女に視線を向けると赤い表情で目が合う。
「いや、じゃない……」
絞り出すように発せられたその言葉の意味を理解するのに数秒要した。
「……名前」
「もう……いっつも強引なんだから」
そっと彼女が口付ける。途端に恥ずかしさからか欲情してしまったのかはわからない。熱くなる身体を彼女に重ねた――――。
「っ、あ、あっ」
「名前、名前……ッ」
彼女は処女ではないし俺もまた然り。それでも名前はぎゅうぎゅうに締め付けてくるし、汗を振り乱しながらも、打ち付ける俺。部屋の空気が湿っぽい。
「アル……」
「……も、だめ…ッ」
潤んだ瞳で可愛らしくキスをねだる名前に、熱が自身に集中する。唾液が垂れても気にせず、舌を絡め、彼女の中に欲を放ってしまった。
「あッ……ン……!!」
「あー……」
情けない。まさかこんなに早く達してしまうとは思わなかった。色んな意味でぐったりとする俺を優しく包み込んでくれる彼女は小さく笑う。
「ちょ、もう一回」
「え、」
「普段こんなに早くないってこと証明してやるよ」
ぐちゅりと、彼女と俺の体液が混ざった秘所の奥に指を突っ込む。
自分でも気味の悪い笑顔を向けて名前の唇を舐めた。
大好き、と言ってみる
(本気出しすぎた)
――――
「永劫回帰」を運営なさっている緋織さまに相互記念で贈ります。
リクエストを頂いたのが10月なのに私事が重なった挙句、年が明けてしまい申し訳ありません。私の書くもののほうが意味不明になってしまいました。幼馴染みに突如恋愛感情を抱くアルヴィンくんという御期待に添えているでしょうか……。裏になりきれず本当に申し訳ありません(;_;)
「永劫回帰」さん自体とは短いお付き合いになりますがそれまで宜しくお願い致します!ありがとうございました!
2012.01.06 桜もち。