mix | ナノ










あなたが好きで、

でも好きすぎるから

誰にも取られたくない…









わたし、名前は目の前の彼、アルと付き合ってるわけで。でも最近この境遇が嫌になってきた。



『アルってばあいつらに構いすぎ』



そう言えば椅子に座っている彼が振り向く。わたしはベッドに腰掛けてつまらなそうにアルを見ていた。



「そういうなよ。これも一つの仕事なんだって」

『お金ないって言ってんのについて行かなくてもいいでしょーに』



イル・ファンで会ったジュードとミラと共にわたしたちはニ・アケリアを目指すことになったのだが、わたしにとっては不満この上なかった。護衛みたいな仕事は何度かやったけど毎回、気に食わない、とわたしは途中で放り投げたりしていたのだ。気に食わないのはアルと二人っきりになれないからという理由なんだけど。でも今回は違う。マクスウェルであるミラの監視が仕事であり、放棄するわけにはいかない。



「金の問題じゃねーって分かってるだろ?」

『だけど』



わたしは、と目を反らす。わたしは別に帰れなくてもいいんだ。例え霊力野がなくたってここでだって生きていける。



『アルが傍にいてくれさえすればいいよ』



小さく笑って、ギュ、とシーツを握れば、アルがこちらに歩いてくるのが視界に端に映った。



「何?名前ってばあいつらに嫉妬してんの?」

『……わたしに構ってくれないから』

「バーカ」



言いながらデコピンを食らわせるアル。わたしがおでこをさすりながら顔を上げれば、唇に柔らかいものが当たった。そのままわたしは押し倒され、ベッドに身体を沈められる。



「俺は名前が好きだ」

『ア、ル…』

「それだけで十分だろ?」



そう言ってまたキスをするアル。彼は嘘つきだけど、わたしを愛してくれることは本当だって、この行為が教えてくれる。



「俺だって名前と二人っきりでいたいって思ってんだから」

『ん…っ』



それは段々深いものへと変わっていく。



『ん、ふぁ、ぁ…っ』



やがて意識が、ぼぅ、としてきたところで唇が離れる。ペロリ、と口元を舐める仕草に、ドキ、と胸が高鳴った。



『カッコイイ…』



呟けば、強くベッドに腕を押し付けられる。わたしを見下ろす彼は怪しく笑っていた。



『アル…?』

「あんま可愛いことばっか言ってると、食べるから」

『たっ!?な、えっ、ちょッ!?』

「俺だっていろいろと我慢してんの。風呂上りに、しかも夜中に男の部屋来て無防備にしてる名前を見て何とも思ってないわけないだろ?」



厭らしい手つきで腰を撫でられ、小さく悲鳴を上げた。確かにこんな時間にどうかとは思ったけど会いたかったし、でもそんなつもりじゃなかったんだけど。とか思っててもアルは行為を止めてくれなくて。



「久しぶりにヤるか」

『や、あの、わたしは――』

「拒否権なし」



結局最後まで付き合わされました。




あなたを独り占めしたい
(バカバカバカ!!)
(名前が悪い)
(ああああんなに激しくしてっ)
(もっと、とか言ってただろ)
(や、そ、れは…!)
(くくく、可愛いな、ほんと)







あとがき


桜もち。様へ捧げる相互記念夢です!
うん、率直な感想、ってか反省→甘いの最後だけだなww
切ない?なんか切ない感じ?いや、こんなにする気はなかったんです。
最初は拗ねてる夢主にベタベタするってのを考えていたのですが、あれ、なにをどうやって間違えたんでしょう←
そして短くてすみません(汗)
こんなのでよかったらもらってやってください!!
相互ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします!




2011.10.26
月詠輝夜




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リコリスの花言葉を運営なさる月詠輝夜様より相互記念で頂きました。アルヴィンにたっぷり鳴かされているヒロインを想像したら危うく鼻血が出そうになりました(本当です笑)
これからもお付き合いよろしくお願い致します!ありがとうございました!



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