「アルっ、やだっ、違うの」
「少し黙っててくんない?」
「ただ私は……んぐっ」
口を塞ぐと、頬に伝う彼女の涙が俺の頬をも濡らす。いつもそうだ、何かを隠したいときには強引に抱く。何も聞かれたくないから、闇に堕ちた俺を見てほしくないから。
「もう濡れてんじゃねーか」
「や、違うの」
スカーフを握りしめ、名前はまだポロポロと涙を流している。そんな表情にすら欲情しちまうなんざ、俺はお前が好きってことだろうなあ。
「あ、っああ……」
「ほら、来いよ」
あまり慣らしてのいない其処に無理矢理突っ込む。痛みに歪む顔を見ながら、内心はごめんと謝る。
「ぅっ、あぁっ……アル、ヴィ……」
なにも話せなくてごめん。だけどお前を巻き込みたくないから、いつかは話すから。
「っ……く、イくぜ……!」
それでも嫌になったときは容赦なく振ってくれてもいい。そのためにわざと嫌われるようなことをしているわけだし。自分が傷付くのを恐れた馬鹿なガキだよ。
「ぁっ、やぁっ……いっちゃう……!」
小刻みに揺れる性器を引き抜き、腹にぶちまけた。ガクガクと痙攣して、名前は気絶した。あっという間の出来事。
「ごめん、な」
何に謝っているのか全くわからなくなってきた。それでも、なぁ?まだ俺の正体ばらすわけに行かねぇんだ。
それを許しているきみも、堕ちるところは同じ
title/家出さま
111021
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