声にならない声をあげたのはこれで二回目。だけど、決して哀しいわけじゃないの。もう生きていないと思ってた、愛しい愛しい人が戻ってきたんだから。
「アルフレド……?」
頷いて頭を掻くアルフレドに駆け寄り、表情を伺う。あれから20年は経ってしまって、面影は薄いけれど、懐に見える銃は紛れもなくスヴェント家当主の証であるものだった。
「おかえり……おかえりなさい、アルフレド」
「ただいま……名前」
その言葉だけで、諦めつづけたこの20年が救われた気がして、涙が止まらない。
「アルフレド」
バランがアルフレドを呼んだ。夢じゃない、本当にアルフレドは此処に居る。
「わーってるよ。悪ぃ、俺ちょっと席外すわ」
後ろの不思議な髪型の女性にそう言うと、ああ、と一言。私はそのままアルフレドに引きずられるようにバランの部屋を出た。
「アルフレド……」
「一階下だろ、お前の部屋」
「うん、そうだけどって……アル?!」
エレベーターに乗り、私に凭れ掛かるアルフレド。はぁ……と深い溜め息を溢して「会いたかった」と呟く。
「……うん、私もずっと会いたかった」
もう死んだと思っていた。もう、誰も愛せないと思っていた。居なくなる日までずっと一緒に居た愛しい幼馴染みの存在を幻と思うくらい。
「名前……名前……」
「……アルフレド……おじさんや、おばさんは?」
「……みんな、死んだよ」
「……」
「故郷に連れて帰ることもできず、ほんと情けねぇ」
震えるアルフレドの肩を抱きしめベッドに倒れこむ。アルフレドがその世界で生きていたことも、さっきの女性たちもそのリーゼ・マクシアで出来た仲間たちだということをアルフレドは全て私に教えてくれた。
「母さんと一緒に帰りたかったよ……そのために汚いことやった……」
「それでも、貴方だけでも、帰ってきてくれたじゃない」
「ああ……」
私を見るアルフレドの顔は今にも泣きそうで、泣き虫なところは変わっていないのかと思うと笑顔が込み上げる。目が合って、離れて、笑う。キスを交わして、お互いがお互いの温度を感じ合う。
「やっと帰れた」
ん、と奧まで深いキス。初めての経験に頭がクラクラする。
「んっ、んん……はっ、」
「……おいおい、大丈夫かよ?」
「呼吸が難しい……」
「……え?まさか」
「……アルフレドにって思って……」
真っ赤になりながら、そう言う名前が可愛くて、俺と同い年のくせしてこんな可愛いのに、俺のために男っ気が全くないとか……。
「嬉しすぎんだろ……」
「え?」
「くっくっくっ……名前、覚悟しとけよ?」
「え、なにが……きゃっ」
疑問符を並べる名前の首筋に噛み付いて、するりと服を脱がせる。男を知らない身体を抱くのは初めてではないが、ずっと恋い焦がれていた女を前にすれば、理性がぶっ壊れるのも時間は掛からなかった。
「あっ……や……っ」
乳房に手を伸ばし、柔らかさを感じながら興奮する。ぴんと立った頂きを爪で跳ねながら何度もキスの雨を降らす。
「見、ないで……」
さらけ出された身体をまじまじと見る。やっべ、綺麗じゃねぇか。
「ふ……っ」
何度も何度も胸元にキスを落とす。下着の上からそっと秘部を撫でる。びくりと反応し、なかなか感度はあるみたいだ。
「ひゃあ……っ!」
「いいねーそそるねー」
「アルフレ……ドッ!」
指を下着の中に侵入させて、淫核を摘まむ。ぐりっと捻れば、更に喘ぐ名前。可愛い声が漏れる。熱くなる身体を沈めながら、優しく指を奧に差し込む。
「っん……」
「痛いなら言えよ」
一本入れただけで、指に絡み付く膣内。愛液がとろとろと溢れているので上手く中には入ったが、二本目は少しキツいかもしれないが……仕方ない。
「あっ……つっ……」
「わり、ちょっとだけ、我慢……な?」
そうして暴れだしそうな自分の身体を抑えながら、慣れさせて解れてくる。荒い息でゆでダコのような名前が面白いが、そろそろ俺も限界だ。
既に上半身は何も身に付けていないのでズボンを開け、反り立つ自身を宛がう。
「背中、しがみついてろよ。爪も立てていいから」
「ん……」
深呼吸して一気に貫いた。名前は小さな呻き声をあげて、背中に痛みが走るが、そんな痛みは大したことないが、浅く深く突く。
「あっ……ん……っ」
ぎゅっと目を閉じる名前の額に口づける。優等生みたいな純朴な子ではないけど、なんだか俺まで初めての体験になったような気分だった。
「あー……もう、アルフレド好きっ」
「ちょ、限界近いのに、そんな嬉しいこと言うんじゃねぇよ」
「んぅ……」
ぱたぱたと汗が名前に落ち、体重を預ける。
「はー……俺も好きだ」
20年分の愛を、君に。
title/√Aさま
111020
ぐだりすぎおわれ
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