「なぁ鬼道!」
「、」
二人きりの帰り道、円堂の呼ぶ声に立ち止まった。
「ぶへっ いきなり止まんな
よなー…、………」
「どうした円堂、」
「なんか…こうやって鬼道と
くっていてると安心するな
ぁーって思って」
にこりと愛しそうに目を細めて笑った円堂に、くらりとした。
いつも…いつもお前はそうやって、俺の思考を掻き乱す。
「?? 鬼道?」
「――さっさと帰るぞ。陽が
暮れる」
「おうっ!あ、でも鬼道、お
前、なんか顔赤いみたいだ
けど大丈夫か…?」
「馬鹿、夕陽に照らされてい
るからだ。お前だって赤い
ぞ」
「なぁんだ夕陽か!んじゃあ
手繋いで帰ろうぜっ」
「お、おい走るな円堂!」
「歩いてたら陽が暮れるぞっ
鬼道ぉー」
全権撤回だ。
陽が暮れてもいい。
だから、少しでも長い間、叶うなら、ずっとこのままお前に手を握っていて欲しいんだ―――…なんて、口が裂けても死ぬまで一生言えないようなことを願ってしまった俺は、本当にどうかしてるな。
それもこれも全部、俺の思考を、いや。心さえも掻き乱すお前のせいだ、