「小雪さん、何をしているんです」
「こたつの偉大さについてレポートをまとめております」

「そんなことに無駄に報告書を使わないでください」
「しかし支部長、このレポートは課題でございます。したがって報告書を使用することは無駄ではありません」

「誰に出された課題なんですか」
「奥村雪男氏に『正月明けまでに調査書を出してください。もし期限までに提出することが出来ない理由があるのでしたら、近日中に報告書にまとめて提出してください』と言われました。ゆえに、こうして提出が不可能である理由を書いて提出しようと思っております」

「……小雪さん、それはただの“言い訳”ですよ」
「“言い訳”と“理由”の違いはあるのでしょうか。支部長がこの行動を“言い訳”と呼ぶことについては何ら問題ありません。私はこの行動を“理由”と呼んでいる、そう言った呼び方の違いでしかありません」

「いい加減現実逃避をやめなさい。どうせ今日までダラダラとこたつにこもっていただけでしょう」
「支部長、ダラダラではありません。こたつがあまりにも偉大であったために、わたしはその偉大さに魅了されたのです」

「何を言っているんですか…」
「正月の間中ずっと支部長のお屋敷にお邪魔して、支部長とゲームに勤しんでいたのもゲームがあまりにも偉大であったためです。これは決して怠けていたわけではありません。私はゲームの偉大さについてもレポートをまとめます」

「こたつで寝そべって一日中ゲームなんて、ただの寝正月ですよ」
「失礼ですが、支部長には言われたくありません」

「私はあらかじめ執務を片付けておきましたから」
「では、分かりました。私は確かに寝正月を過ごしました。ですので、寝正月同士仲良くしましょう、支部長」

「何が言いたいんです」
「調査書を手伝ってくださいお願いします奥村雪男氏に殺される」





「お仕事はお早めに」


mokuji