クルィロフ家編 | ナノ





 クルィロフ家の双子当主は宛がわれた客室にて夜を過ごしていた。
 明かりもつけず、月明かりだけが部屋を微かに照らしていた。

「スノウ」

「なぁに、スェウ」

「エミールの異能が覚醒したら僕たちの宿願は叶うよね…」

 スェウはスノウを正面に立っている。
 瓜二つの顔が互いを見合わしていた。

「……近年になってエミールの異能が我々を喚ぶようになってきたのがその証。強い異能は同朋を゙喚ぶ゙ものよ」

「でも僕たちには異能を覚醒させるほどのチカラはない…」

「そのために双子として産まれたんじゃない。異能の覚醒は生涯一度きり」

 そこまで言った所で二人は互いの手を握り合った。




「「対価はどちらかの命」」










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