クルィロフ家編 | ナノ


 (あぁ、この子は良い縁を得たのね…)


 回想を終えたモニカはキルシュとウォッカを見ながらしみじみそう思った。
 例え自分一人だけであろうとエミールを守るつもりだったが、味方は多いにこしたことはなかった。
 何よりクルィロフ家が相手だ。
 異能を覚醒させない事を条件に何らかの取引をせねばなるまい。
 そこまで考えた所で、モニカは自分を見詰める娘の視線に気が付いた。

「大丈夫よ、エミール。今日はゆっくり休みなさい。クルィロフ家との件が終わるまでは私も貴方もお休みよ」

 くしゃりとエミールの頭を撫でてやれば、エミールは静かに微笑んだのだった。








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