*君恋番外編
オリキャラ
白河優介視点
あれは忘れもしない中学1年生の夏だった
『俺が恋に落ちた瞬間』
「夏休みの合宿の期間だけ臨時マネージャーを勤めさせていただきます、桜崎楓です。精一杯頑張るのでよろしくお願いします!」
合宿の期間限定のマネージャー桜崎さん、自己紹介の時は特に気にもとめてなかった
美華先輩の友達っていうから、しっかりした人なのかな?って思ったら、先輩とは結構真逆な性格
おっとりしてて、どこか抜けていて、ちょっと頼りなさげな桜崎さん
重いものとか運んでる姿を前みたけど、足がおぼついてて今にも転ぶんじゃないか?って思って、ちょっと不安になった
慣れない仕事、炎天下の中での作業に倒れそうになってた時もあった
「楓、大丈夫?あんまり、無理しないでね。」
「大丈夫だよ!心配しないで!」
辛そうなのに、美華先輩を心配させないためなのか無理して笑顔を作ってる
そんな、危なげな桜崎さんを俺はいつの間にか目で追うようになった
「よーし、これから紅白戦やるぞー。」
2チームにわかれて試合すると聞いた時、俺はちょっとだけチャンスだと思った
(桜崎さんにかっこいいとこみせたいなー)
なんて軽いノリ、俺はこれでもサッカー部の1年生エース、3年生が引退した今2年生に引けはとらない自信もあった
「よしっ、やってやる!」
妙に気合いが入ってる俺を見て、美華先輩は不思議そうな顔をしていた
けど、試合は俺のチームの負け
煉先輩が相手チームじゃなくて仲間だったら勝てたのに、と愚痴を内心こぼしながら自分ダセーなんて思ってベンチに座った
(かっこいいとこ見せれなかった……)
桜崎さんのことを考えていたら、不意に声をかけられた
「お疲れさま!はい、ドリンク!」
「あっ、ありがとうございます!」
桜崎さんにニッコリ微笑まれ、ドリンクを渡された俺
──トクン
と胸が高鳴った
(あ……なんだろ、これ…)
「どーした、優介?胸のあたりおさえて?まさか、過呼吸!?」
俺が胸のあたりを手でおさえてうつ向いてると煉先輩が顔をのぞいてきた
「煉先輩…過呼吸なわけないです…。」
「おー、びっくりした。で、なんかしたのか?」
「なんか、桜崎さんに笑顔でドリンク渡されたら…なんか胸が急に…」
「ギューっとなった?」
「いや、トクン!と高鳴りました!」
「高鳴ったのかー」
煉はニヤニヤしながら、そうかそうかと頷いた
「なんですか、煉先輩…ニヤニヤして…」
「その胸の高鳴りはな、優介!恋だ!」
「恋!?」
「好きってことだよ。俺も美華と一緒にいると胸が高鳴ったり、ギューってなったり、ポァア!ってなる!」
「ポァアってなんですか?最後だけ意味不明なんですけど…でも、たしかに…」
(俺、)
「桜崎さんのこと、」
(好きかも…)
「笑った顔が、すごくキラキラしてて…いいなって思ったんですっ───」
そうして彼は1年もの間楓とも話せずに、切ない片思いの時間を過ごすのであった
END
オリキャラ
白河優介視点
あれは忘れもしない中学1年生の夏だった
『俺が恋に落ちた瞬間』
「夏休みの合宿の期間だけ臨時マネージャーを勤めさせていただきます、桜崎楓です。精一杯頑張るのでよろしくお願いします!」
合宿の期間限定のマネージャー桜崎さん、自己紹介の時は特に気にもとめてなかった
美華先輩の友達っていうから、しっかりした人なのかな?って思ったら、先輩とは結構真逆な性格
おっとりしてて、どこか抜けていて、ちょっと頼りなさげな桜崎さん
重いものとか運んでる姿を前みたけど、足がおぼついてて今にも転ぶんじゃないか?って思って、ちょっと不安になった
慣れない仕事、炎天下の中での作業に倒れそうになってた時もあった
「楓、大丈夫?あんまり、無理しないでね。」
「大丈夫だよ!心配しないで!」
辛そうなのに、美華先輩を心配させないためなのか無理して笑顔を作ってる
そんな、危なげな桜崎さんを俺はいつの間にか目で追うようになった
「よーし、これから紅白戦やるぞー。」
2チームにわかれて試合すると聞いた時、俺はちょっとだけチャンスだと思った
(桜崎さんにかっこいいとこみせたいなー)
なんて軽いノリ、俺はこれでもサッカー部の1年生エース、3年生が引退した今2年生に引けはとらない自信もあった
「よしっ、やってやる!」
妙に気合いが入ってる俺を見て、美華先輩は不思議そうな顔をしていた
けど、試合は俺のチームの負け
煉先輩が相手チームじゃなくて仲間だったら勝てたのに、と愚痴を内心こぼしながら自分ダセーなんて思ってベンチに座った
(かっこいいとこ見せれなかった……)
桜崎さんのことを考えていたら、不意に声をかけられた
「お疲れさま!はい、ドリンク!」
「あっ、ありがとうございます!」
桜崎さんにニッコリ微笑まれ、ドリンクを渡された俺
──トクン
と胸が高鳴った
(あ……なんだろ、これ…)
「どーした、優介?胸のあたりおさえて?まさか、過呼吸!?」
俺が胸のあたりを手でおさえてうつ向いてると煉先輩が顔をのぞいてきた
「煉先輩…過呼吸なわけないです…。」
「おー、びっくりした。で、なんかしたのか?」
「なんか、桜崎さんに笑顔でドリンク渡されたら…なんか胸が急に…」
「ギューっとなった?」
「いや、トクン!と高鳴りました!」
「高鳴ったのかー」
煉はニヤニヤしながら、そうかそうかと頷いた
「なんですか、煉先輩…ニヤニヤして…」
「その胸の高鳴りはな、優介!恋だ!」
「恋!?」
「好きってことだよ。俺も美華と一緒にいると胸が高鳴ったり、ギューってなったり、ポァア!ってなる!」
「ポァアってなんですか?最後だけ意味不明なんですけど…でも、たしかに…」
(俺、)
「桜崎さんのこと、」
(好きかも…)
「笑った顔が、すごくキラキラしてて…いいなって思ったんですっ───」
そうして彼は1年もの間楓とも話せずに、切ない片思いの時間を過ごすのであった
END