××な女の子 | ナノ

ぱくぱく、もぐもぐ、パリパリ

そんな効果音がついてきそうなくらい隣の席で美味しそうにお菓子を食べているクラスメイトに目を向ければ、
視線に気付き「食べる?」何て甘そうなお菓子を差し出してくる姿に可愛いなーなんて思いながら「ありがと」とお礼を言いつつ丁重に断った。


「そっか、スガ辛党だもんね」

俺の断りに気にすることなく、そのままさっきまで俺に差し出していたお菓子を口の中に放り込んで新しいお菓子に手を伸ばす彼女の机の上は
チョコ、マシュマロ、クッキーなど見事に甘いものだらけだった。

「みょうじは見事に甘党だもんな」
「うん、カレーも甘党じゃないと食べれない」


「給食のカレーでも、小さい頃食べれなかった」何て笑いながら言う彼女に少しドキッとしながら、「今も食べれないだろ?」何て言いながら思わず一緒に笑ってしまう。そう、何だかんだ俺はこいつが気になってたりする。


「スガとはあたし絶対一緒の料理食べれないと思うね」

だからこそ、そう笑いながら言う彼女に今度は笑えなかった。

俺は、別に甘いものが嫌いと言うわけじゃないけど
カレーは辛い方がいいし、
甘いお菓子より辛い煎餅の方が好きだ。

別に好きな子と味覚が違うからといって困ることはないけど、同じことにこしたことはないと思うし
絶賛片思い中の俺は彼女とちょっとでも同じ部分があれば心がはねて、違う部分があったら落ち込んだりする
バカみたいに単純で、少しめんどくさくて生き物だったりする。


「あ、でもスガお味噌汁の具なにが好き?」


急に変わった話に対応出来ず、思わず「はっ?」っと言ってしまった俺に彼女はまた笑いながら「いいからいいから」と俺の返事をせかす。


「え、わ、ワカメだけど…」


何だか分からないけど、とにかく素直に答えれば彼女は「良かったー」と満足気に笑って、机の上のお菓子の空箱を片付け始めた。

「え、ごめんなんの話?」
「次の家庭科自分の好きな具でお味噌汁作るの、スガにもちょっとあげるよ!」



友達に呼ばれて、「じゃっ、楽しみにしといてねー!」何て言いながら走っていくみょうじを見ながら、


「毎朝俺の味噌汁を作って下さい」何てあの有名なギャグみたいなプロポーズが浮かんだ俺は心底バカで、あいつが好きなんだと思う。


あいつが作った味噌汁なら甘くても飲める気がした。
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