05


 す、すたんど?

「って何でしょう」
「花京院とか言ったな」

 あれ、スルーされた。

「これで2対1、テメーのスタンドは俺の掌の中。降参するなら今のうち、だぜ」
「だ、だぜ!」

 状況は全く理解できないけど、ノッておいた方が良さそうだ。花京院?くんには悪いけど、私は空条の味方になるよ!

「いくら増えようが同じことだ」

 花京院くんは笑う。

「一網打尽にすればDIO様もきっとお喜びになられる。
 食らえッ! 《エメラルドスプラッシュ》!」
「え」

 空条の近くで頭部を掴まれもがいていた“何か”から、無数の結晶が打ち出された。

「『法皇の緑』が生み出す破壊の像……二人まとめて終わりにしてやるッ!」

 払い除けようと空条が腕を振るうけど、数があまりにも多すぎる。

「避けろミョウジッ!」
「は、――!!」


 防ぎきれない弾幕に羊が躍り出る。

 たたん、と前足が床を叩き、体毛が膨れ上がる。

 直後に響いたのはガラスが弾け、転がる音。



「こ、れは」

 ビー玉だ。こんなにたくさん、一体どこから。
 いや、私は見た。これは全部、“羊毛から飛び出して、結晶を撃ち落とした”んだ。普通の羊にそんなこと。できるハズがない。

「あんた、なんなの……」

 一面に散ったガラス玉の中心、無傷の羊は振り向きもせず「気に入らない」とでも言いたげに鼻を鳴らした。






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