ハチミツ


「ただいまー、承太郎さん?居ないの?」

帰って来たものの、彼の姿が見えない。

「あなた……?」

リビングに入ると、ソファで規則正しい寝息をたてる彼。

わたしはそっとソファの横に腰を下ろした。

船の構造を書いた本を彼の胸から取ってテーブルに置く。

まじまじと彼の寝顔を観察する。

伏せられた長い睫毛。

すらりとした鼻筋。

うっすら開いた、ふっくらとセクシーな唇……。

「ねえ、承太郎さん……起きている?」

聞いてみる。

そっと、額に張り付いた前髪を撫で付けながら

「……」

返事が無い。

わたしはそっと髪を耳にかける。

心臓がうるさく鳴る。

そして、彼に覆いかぶさるようにして……

そっと唇を重ねる。

「んんっ!?」

その刹那、世界は反転した。

わたしはいつの間にか天井と彼の顔を見ている。

「……寝込みを襲うとは、油断ならねぇ女だ」

クツクツと楽しそうに喉の奥で笑う彼。

「いつから……起きていたの?」

「最初から起きていたぜ」

優しく髪を撫でられる。

「い、いじわるだわ」

ささやかに抗議してみる。

「いや、まさかお前からキスしてくるとは思わなかったからな。もうけた」

そんな風に言われて恥ずかしい。

なんだか自分がはしたない様な気がしてしまう。

「なあ、ナマエ……」

「……なぁに?」

「キスってのは、こうするんだ」

「んっ……」

目を閉じると、あたたかい唇の感触。

息をつく瞬間に角度を変えて何度も口づけられる。

深くとろけそうなキスに、わたしは自分から鼻をすりつける様にして続きをねだった。


End.




**
「Star Dust」相互記念に桃谷様より頂きました、承太郎さん夢。
あまァーい!!(*´∀`)いちゃいちゃ系、大好物なので大変嬉しいです。
私も甘いのにチャレンジしたいのですが、なかなか難しくて……ぜひぜひ見習って頑張りたいと思います(*`・ω・´)

桃谷様、素敵な作品ありがとうございました!






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