Trust


「クックックッ……ナァーニをしてもらおうかなァ」

手首を捕まれ、腰を抱かれる。

そのままウエストから太ももをなぞるてのひらに、
背筋が粟立ち吐き気が込み上げる。

ジョースターさんを人質にとられ、
承太郎はなす術もなくこの最弱スタンドを使うゲスの言いなりになっていた。

「じょ……承太郎……」

思わず彼を見ると、モスグリーンの瞳が不安に揺れた。

「この姉ちゃんにも、ジジイの為に一肌脱いでもらうかなァ!」

下品な笑いを遮るように承太郎はラバーズの使い手に凄む。

「そいつから……手を離しな……ッ!」

ボロボロの承太郎に、敵は高笑いと共に更に蹴りを入れる。

もう、見ていられないよ!

「ま、待って!待ってください……」

わたしは、覚悟を決める。

「な、何でも……します……承太郎とジョースターさんには……何もしないで……」

「ナマエ!!」

「ごめんね、承太郎……ありがとう……」

わたしが、時間を稼ぐ間に……

お願い、勝って!花京院!ポルナレフ!

ニヤニヤと卑下た笑みを携えた男の手が、わたしの顎を掴む。

「よぉく見れば、なかなか可愛い姉ちゃんじゃねぇか」

「ナマエ!テメェ、止めろ!」

拳を振り上げた承太郎はワナワナとふるえている。

セーラー服のタイに手をかけられる。
タバコとアルコールのニオイの息が近くて
思わず眉をひそめた。

「わ、わたし……」

「お?何だ?処女ッて告白か?
仲間の前でヤラれちまうなんて可哀相になァ!最ッ高に興奮するぜ!」

タイが解かれる。
頼りなく地面に落ちる黄色い布に、承太郎がギリリと歯軋りをするのがわかる。

大丈夫だよ。ありがとう。

「平気よ……仲間を、信じるから」

承太郎に笑いかける。

彼は、少し驚いた顔をしてからニヤリと笑った。

立ち上がってじりじりとこちらに近付く承太郎に
敵は身をふるわせながらわたしを盾にした。

「!?」

突然、敵の頭から血が流れる。

「やれやれ。俺の分のお仕置きが残るのか?花京院の奴め……」

帽子を直す承太郎。
わたしも肩をすくめてみせる。

「わたしのお仕置き分も残していて欲しいわね」

「ひ、ひぃぃ!!」

花京院が体よく痛め付けた敵を、承太郎と二人でボコボコにする。

「ふぅ……」

額の汗を拭うと、背中から学ランを被せられた。

「……とりあえず着とけ。目のやり場に困る」

「えっ?きゃあ!」

わ、忘れてた!
わたし、このゲスな敵に服を乱されて……!

慌てて大きな学ランの中で服を整えながら、
ちらっと承太郎を盗み見る。

向こうを向いた彼の耳が、ほんのりと赤くて……

何だか少し意識してしまう。

タイを拾って結び直す。

「ありがとう」

学ランを脱いで承太郎に渡す。

「おう……ズレてんぞ」

タイを直す、大きなてのひらに心音がうるさい。

「ありがとう……」

「いや、守ってやれずに済まなかった。怖かったよな……」

子供にするみたいに撫でられて、
あふれそうな涙をこらえる。

鼻の奥がツンと痛んだ。




**
「Star Dust」5000hit記念フリリクにて桃谷様より頂きました、『7人目のスタンド使い』設定の承太郎くん夢。
ゲーム中屈指のときめきシーン、ラバーズ戦を書いて下さいました!
これですよ、これ!これがあるからもう分岐ルートは迷いません(●д●)
そして耳まで真っ赤な承太郎くんの可愛いこと!ご馳走様です(*´∀`)

桃谷様、本当にありがとうございました!






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