正直に白状するなら、女の子に対してこんなにも興奮したのは、なまえちゃんとシたときが初めてだった。
 女の子の身体を前にしても、いつもならそれなりに保たれているはずの理性とか余裕とかってやつが、彼女の前ではいつだって跡形もなく消え去ってしまうのだ。

「んぁっ、…サンジく、」
「なあに…?」

 彼女の小さな耳を舌で弄びながら、甘く囁いたはずの声はひどく掠れて余裕がない。畜生、俺としたことが格好悪い、とは思うのだが、どうしようもないものはどうしようもなかった。
 興奮してしまうのだから。その細い腰を揺らして、熱くて柔らかい部分を思いっきり突き上げたいという、堪えきれない、抗えきれない、雄の本能なのだから。

「ね、ちょっと…まっ…」
「…またねェ、」

 一番深くを抉るように動くと、声を抑えたいのか彼女は小さく唇を噛んだ。…なんて下半身にクる顔してんだよ、たまんねェなあ。
 彼女のこんな顔、きっと俺しか知らないだろう。この、薄暗い中で発光するかのように白い肌や、脳髄まで響く甘ったるい声も全部、きっと俺だけが知っている。

「っ…ふァ…っつぅ…」
「…いや…、…まてねェ、かな…、っ」

 そうしてゾクゾクと這い上がる衝動に、俺のソコは素直に反応を示した。膨張した俺に呼応するように絡みついてくるなまえちゃんの粘膜。腰から溶けていくかのような感覚が全身を襲い、油断すればすぐにでも欲を吐き出してしまいそうだった。
 そんなのはもちろん俺の美学には反しているから必死に堪えているけれど、そんな我慢いつまでもつかも分からない。

「さん…じっ…く、んぁ」
「…ったく…無闇に名前呼ぶなよ、止まれなくなっちまう」

 つうか、そんなふうに呼ばれたらホントに出ちまうんだって、と頭の隅でぼやく。吐精感を誤魔化すように彼女の膝を持ち上げ、動かずにはいられない腰を大きくまわすと、結合部がぐちゅりと泡を潰すような音をたてた。
 快感をこらえるように顔をしかめたなまえちゃんの顔はひどく官能的だった。ああ、きっと今の彼女は、俺のことだけを考えているのだろう。そう思うと堪らなかった。

「…それとも何…、こうやって激しくして欲しかった?」
「ぅあっ…ちが、ァ、…も、っ…ずる…、」
「…んな顔でずるいなんて言う方がずるいさ」

 聴覚を侵す卑猥な水音と彼女のナカが俺の興奮を際限なく高めていく。
 欲望のコントロールひとつないできない自分を紳士として情けないと思わないこともねえけど、結局のところはほら、止まるなんて不可能で。

「っ、や…ァあ…、」
「…なまえちゃん…愛してる、よ」

 痙攣するなまえちゃんのナカに欲を吐き出す瞬間 甘く囁くはずのとっておきの愛の言葉は、やっぱりひどく掠れていた。

鏡に映って乱反射
20110708

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