後ろから抱え込むように抱きしめられて、耳を甘咬みされて。びくりと背中が反ってしまうことも、高温多湿な声が洩れてしまうことも、ナカに入ったままの彼の指を締め付けてしまうことも、全部が全部、私の羞恥心を煽る。
彼の顔が見えないことも余計に私の羞恥を加速させていた。彼は今、どんな顔で私を苛んでいるのだろう。彼は今、私のどこを見ているのだろう。
「…気持ち良さそうだね」
「…ァん、っふ…」
私はぐずぐずに溶かされて、もう何も考えられないくらいなのに、的確に私のイイ所を見極めるジーノは余裕綽々のようだった。それが恥ずかしいような、悔しいような、でも気持ちいいような不思議な感覚。
「なまえは後ろからされても感じるんだ?」
…すごい、いつもより締まってるみたいだよ。
ぴちゃりと音をたてながら落とされる掠れた声に、それだけで下半身から力が抜けていく。尾てい骨を直接震わせるような彼の声は反則だ、といつも思う。
そんなふうに言われたら嫌でもナカを意識せざるを得ない。太いとは言えない彼の指を今まで以上にきゅうきゅうと締め付けてしまうのが自覚できた。我ながら素直すぎる反応だと唇を噛むと、背後からはくすくすと楽しそうな笑い声。
「…ふふ、やらしいなあ」
胸をやわやわと揉んでいた長い指に突起を摘まれて、押し潰すように刺激されるうちにじんじんと熱をもったそこが次第に固くなっていった。時折爪で優しく引っ掻かれるとヒクンと腰の奥が疼く。
触れられていない方の先端がむず痒くなって、気づけば強請るように胸を突き出していた。けれど、そう、もう片方の手は私のナカに沈められたままなのだ。
「っちが、ァっ…や、…ジーノ…っ」
「…違わないよ」
ずるりとその指を引き抜かれ、下半身が喪失感に揺らめく。整わない息をそれでも必死で落ち着かせながら、次は何をされるのかと後ろを振り返ると、彼は濡れた指を躊躇うことなく舐めて見せた。
その光景に息を呑んだ直後、太腿に押し当てられた彼の熱。くちゅりと音をたてながら触れ合う感触が私の期待を煽り、どろりと溢れたような感覚があった。子宮のあたりが、鈍い痛みを求めているのがわかる。
「は、ぁ……っ」
「ほら、ね?…期待してる」
「…ぁ…意地、悪…っん」
そのまま動かないジーノに、もどかしさを押し隠すように息を吐き出すと、彼が満足そうにほくそ笑む。一度期待してしまった脳ではもう挿れてもらうことしか考えられなくなっていて、違うと否定したいのに、自然揺れてしまう自分の腰はそれを許さない。
でももうなりふり構っていられないくらいジーノが欲しくて、子宮に届くほどの熱が欲しくて
「あーあ、ふふ、そんな顔されたら、…あげないわけにはいかないなあ」
昨日に漂う染色体
20110814