すき、すき。
大好き。
しのぶさんの事がすき。
冷たい目が好き。
仕事に一所懸命な所が好き。
冷静に見せて実はおっちょこちょいな所もすき。
ゴシップ記事に疎いのもすき。
全部全部好きだよ。
もうしのぶさんしか見えない。
でも仕方ないじゃない。
恋は盲目っていうじゃない?
だから、しのぶさんしか見えないってわけ。
この世界に、俺と、しのぶさんだけ。
何だか可笑しいね。
いつかこっちに振り返ってくれるといいけどな。

ね、林檎一つ食べない?
ほら、蛇も進めてるよ。
ちぇ、つまんない。
…え?何で林檎持ってるのかって?
内緒。
でも、とーっても美味しいよ。
あ、そ、そこまで拒否するんだ。
じゃあいいや。
これは俺だけで食べよ。

ここで、出動命令がかかる。
何だよせっかく人が楽しく話してたってのに。
さて、頑張ってお仕事してきますか。
ん、ありがとうしのぶさん。
おじさん頑張っちゃう。

いつもしのぶさんと一緒。
そりゃ、人間のしのぶさんとは無理だけど、大丈夫。
ベストの内側、しのぶさんの写真いっぱい縫い付けてあるからさ。
どんな時もしのぶさんと一緒。
一緒なんだ。

しのぶさん、蛇も進めるほど美味しい真っ赤な林檎、本当に良いの?
俺一人で食べちゃうよ?







食べちゃったもんね。
世界でたった一つ。たった一つの林檎。
正確には、二つ目の林檎だけどね。
蛇が進める林檎、美味しかった。



fin
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