「ふぃー、いい湯加減でありますなぁ」
ここは人里離れた山奥…の、温泉。
ケロロとタママとドロロとモアの四人で、ドロロオススメという温泉に入りに来た。
もちろん人里離れた天然温泉なので、管理もされてなければ、ライトアップも、旅館も無い。
だが、さすがに混浴は出来ないので、モアは少し離れた所の温泉にいる。
真っ暗の中の温泉に、宇宙人が三匹。
「真っ暗な温泉と言うのも、なかなかオツなものですなぁ〜」
「タマァ〜、極楽ですぅ〜」
「さようでござろう。修行の後にはいつもここで体を癒しているでござる」
ケロロ小隊隊長、ケロロは、タオルを頭の上に置いて肩まで浸かる。
タママもそんなケロロの真似をして、隣で和んでいた。
ドロロはそんな2人を見て、内心喜んでいた。
(クルル殿とギロロ君にも、後で教えてこう)
「…ほへぇ、なんだがボク、のぼせてきたですぅ…」
「それは大変!少し上がって休憩すると良いでござるよ。そこに冷たい湧き水もあるゆえ、水分も取ると良いでござる」
「はあいですぅ!」
タママはのろのろと温泉から上がると、ドロロに示された湧き水を一口。
「冷たくて美味しいですぅ!不思議。ジュースじゃないのに、美味しい!」
「ふふ、それは良かったでござる」
ドロロがにっこりと言うと、ケロロが思い出したようにタママの方を向く。
「あ、タママー!ついでにあれもやっといてくれない?」
「あれですね、わっかりましたぁ!」
タママはケロロにそう言われると、時空間からクルルお手製のキャンピングセットを取り出した。
形は小さく、四角で、上にボタンが付いている。
「ポチッとな」
タママがそれを地面に起き、ボタンを押せば、プシュウッとそれが広がり、立派なテントが出来上がった。
4人入るには十分な広さで、中には6人分の寝袋があった。
「軍曹さん!できたですぅ!」
「タママ、ありがとうであります!あとで宇宙人飴をあげるであります!」
「え、いいんですかぁ!?」
「もちろんであります!」
「わあい!」
ぴょんぴょん跳ねながら温泉までくれば、足だけを温泉にしずめる。
「はぁ、いつ入っても極楽でござるなぁ」
「…軍曹さん、ドロロ先輩」
ぽつりと、タママが言った。