「そーいやぁ先輩」

昼間、珍しく俺のテントに来た恋人は、武器を触りながら話出した。

「…なんだ」

「先輩ってぇ、風俗とかいったんスか」

「!?」

いきなり何を言い出すかと思いや、下世話な話。
クルルは不気味に笑った後、にんまりとして俺を見る。

「ほら、先輩って戦闘兵じゃないっスかァ…やっぱりみんなといったのかなあって」

「あ…それはー…確かにそんな事はしょっちゅうだが…俺は行ってないぞ」

戦前に行く兵士は、よくそういう風俗に行く。身も心もすっきりしたいのだろう。
外出許可が出る週末は、同期がよく騒いでいたのを思い出す。時には上官に付き合わされる事もしばしばあったようだ。

「ククッそーかい。あんた、クソ真面目だもんなァ」

「お前はどうなんだ」

「クークックック。あいにく俺の目にかなう女がいねぇ」

そう言ってクルルはテントが出ようとする。

「なんだ、もう帰るのか」

「俺、まだやる事あるからなぁ。あ、そういやァ俺が少尉だった頃、見たぜェ」

クルルはニヤニヤして振り返る。

「お前さんの兄貴、上官と…クークックック」

「なっ!?」

クルルはそれだけ言い残して出て行った。
ガルル!?上官と、何をしたって言うんだ。
クルルはいつだって謎を残して行く天才だ。
ため息をつけば、メールが来た。
送り主は、たった今見送った恋人。


『赤線に来させてやる。来たかったら夜9時に下に来い』

赤線…?
赤線って何だ。
しかも来させてやるってどういうことだ。
謎が深まるばかり。
俺はテントの中で寝転がる。
風俗か…あの頃は風俗は低俗なモノで、そんなもの無くとも規律を守るのが当たり前だったな。
いや、今もだが。
そういえば、ケロロやドロロはどうなのだろうか。タママの奴はまだ子供だからあの通りには行けれないな。
ふむ、何だか…眠くなってきたな…。
参ったな、まだ昼間だというの…に…。
……。





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