「エリック…エリック?」

濡れた地下通路を歩きながら、エリックを探すクリスティーヌ。
すると、ろうそくの明かりが見え、そっと近づけばエリックがベットの中で眠っていた。
普段オールバックの髪の毛は下ろされ、微かにシャンプーの香りがする。

(まだお昼の3時よ。この人にとってはあまり関係無いのかしら)

などと一人心の中で思う。
忙しい劇団。そんななか今は束の間の休息だった。
クリスティーヌはあるお誘いの為にわざわざ皆の目を盗んでこんな地下に来たのだったが…本人が眠っていては、誘おうにも誘えない。
クリスティーヌはキョロキョロと辺りを見回し、紙とペンを見つけると、さらさらと何かを書いてエリックの枕元にそっと置いた。
クリスティーヌはチラリと時計を見た後、帰ろうとするが、あることを思い出し、再びエリックを見た。

「…好きよ、エリック」

小声で囁き、その額にそっとくちづけをし、その場から立ち去って行った。





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