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   甘い甘い






※エンディング手前



「ルーク!」

「陛下。もう御公務は…」

「ちゃーんと終わらせたって!ジェイドにも休んでいいって言われたしな!」


笑いながら俺の方に近寄ってくる陛下。年齢にそぐわない笑顔が眩しい。
陛下の部屋のバルコニーに俺はいた。流れゆく水を眺めながら、最後の戦いを思い描く。


「…考えてるのか。最後の戦いのことを」

「ええ…」


陛下は後ろから俺を包み込むように抱きしめた。回された腕に俺は縋り付くように手を添えた。


「考えてしまうですよね…戦いのこともそうですけど…戦いが終わったあとのことも…」


そう言ってうつむくとこつり、と頭に衝撃を感じて振り向いた。


「ここは公式の場じゃねーんだぞ」

「…?」

「敬語!」

「あ、」


公式の場じゃなかったら敬語は禁止。付き合い始めたときに決めた約束だった。


「ごめん、へい…」

「呼び捨て」

「う…」

「お前もほんと慣れないな。ま、そういうところも可愛いけどな」


そう言いながら頬に柔らかな感触と温もり。敬語を使ったり、陛下って呼んだりしたらキス一回。これも約束だ。その代わりピオニーが公務をサボったりしたら、一週間俺に触るの禁止。これはジェイドが決めたことだけど。


「もうルーク不足だぜー。なんだかんだ言って二週間くらい触れなかったしな」

「それはピオニー、自業自得じゃないか」

「手厳しーな。ジェイドに似てきたか?」


笑うピオニーを見て心がじんわりと暖かくなる。何度この笑顔に救われたことだろう。依存している、と言われてもしようがないほど、俺は彼に惚れている。そのまま彼の背中に手を回すと、同じように抱き返してくれた。


「ピオニー…大好き…」


鍛えられた胸板に顔を当てながらそっと呟く。「俺は愛してる」と返ってくる言葉に心はさらに暖かくなる。


「なんだルーク、今日は甘えんぼか?」

「…触れ合えなくて寂しかったのはピオニーだけじゃないってことさ」


そう言って鼻先に唇を寄せた。してやったりという顔でピオニーを見れば、一瞬の驚きから俺の好きな顔に変わった。


「やってくれるな」

「ふふっ…って、わっ」

そう言って視界が揺れた。ピオニーが俺を所謂お姫様抱っこしていた。今度はピオニーがしてやったりという顔だった。そして顔には唇から甘いキスが雨のように落とされた。


「可愛すぎるんだよお前」


どさりと下ろされた場所はベットの上。


「…いやちょっと待て。明日はティアたちと買い物に行く約束を…」

「それでも手加減はしないぞ。お前のせいなんだからな。自業自得だ」


子供っぽい口調で唇を尖らせながら言うピオニーの顔が面白くて、愛おしくて。


「じゃあめいっぱい愛してくれな?」





翌日。


「…」

「ルーク顔色悪いわよ、大丈夫?」

「ああ大丈夫だティア。心配かけてすまない」

「(ピオニー陛下激しーっ)」

「(陛下もやりますねぇ)」




++++++

真さんのリクエストでピオニー/甘でした!
私の中ではかなり甘いですこれ。そしてだいぶありがちなネタだと書きながら気づきました←ご希望に沿えているでしょうか…
だいぶ遅れてしまいましたがリクエストありがとうございました!
これからも朗月をよろしくお願いします^^
!真さんのみお持ち帰り可




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