君にありったけの愛を叫びたい | ナノ



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目を開けたら見たことない天井だった。


…あ?おかしいな。俺確か  が溜め込んだ執務やっと片付け終わって寝たんだよな、部屋で。自分の。
もう一度、ゆっくり瞬きしてみても結果は同じ。仕方なく起き上がればなんだか身体が軽い。手を見ればなんか小せえし。ますますどうなってやがる。周りを見ようと首を動かそうとすれば今度は赤い髪が目に入った。…んな馬鹿な。俺の髪色は だ。あー、三徹明けの頭じゃまとまるもんもまとまりゃしねえ。考えるのもめんどくせえ。


『おや…目覚めるにはまだ早いですが』
『赤子同然といえども騒がれては困る。眠らせておけ』


声がする方を向けば、髭とメガネがいた。城では見かけたことねえな。いや、その前にこの体俺のじゃねえし、話してる言葉も聞いたことねえし、まずここはどこだ。
そんなことばかり考えているとメガネに何かを打たれて、急に眠気が増してきた。睡眠薬かなんかか?あーでももうねみー…し…あとで…








目を開けたら見たことない天井だった。



…デジャブか?なんか前にも思った気がするが。しかも寝てる布団が柔らかい。ふっかふかだなおい。さっきの場所よりは安全そうだし、もっかい寝るか。そう思って布団を被ろうとしたら人が近づいてくる気配がした。二度寝が惜しいが…しょうがねえか。殺気も感じねえし、大丈夫だろ。体を起こすのと同時にドアが開き、そこには驚いた表情のメイドがいた。『ルーク様!』そう言ってメイドは踵を返して走りだした。呼んだのはこいつの名前か?なんて言ってたか…ルー…なんとかだったような気がするな。いまいち働かない脳を使って考えていれば、今度はメイドが数人、医者(っぽいの)がやってきた。『ルーク様、お目覚めになられたのですな』なんだかよくわからんが労ってくれてるのはわかるぞ。
軽く診察をしたあと、医者の顔は深刻そうな顔にはなってなかったし、特に問題なかったんだろうな。ここがこの体の奴…ルーなんとかの家で、地位のある家柄であること、おぼろげにしか覚えてないが、髭とメガネがあんまり良くない奴らなのはなんとなくわかるが、あとのことがさっぱりわからん。俺がどうしてこの体を動かしているのか、ここはなんという国なのか、全くもってわからん。わからんし、ものすごーくめんどくさいことになりそうだと思う。俺のカンがそう言ってる。
だが…面白くなりゃー面倒だろうがなんだろうがそれでいいがな!







その名はキムラスカ第三王位継承者ルーク・フォン・ファブレ



のレプリカ




しっかし言葉もわからねえってきついな…記憶がなくなったフリでもしとくか



*****
いけいけ中年の成り代わりの始まり



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