君にありったけの愛を叫びたい | ナノ



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「あ、切れた」

段々と冷える夜、寝る前にホットミルクでも飲もうとカップに牛乳を注いでいると、きりのいい所で使い切った。そういえば醤油とかパスタとかも切れそうだった。明日は休みだし、久々に買い物行くか。服とかも最近全然買ってないしなあなんて、はちみつで程よく甘くなったホットミルクを飲みながらぼんやり考えた。







いつものように朝食をとっていると、吉田さんが思い出したように言った。

「あ、ねぇ佳奈、僕今日デートだから食事はいいよ」
「わかりました。楽しんできて下さい」

私としてはありがたい申し出だ。本当はお昼前に買い物に行こうと思っていた。そしたら昨日まで続いていたどんより天気が嘘のように、今日は真っ青な青空が広がっていたので、これ幸いと洗濯物や布団、冬用のアウターを干したのはよかったけど、量が多かった。日が沈むのも早くなってきて、干したものも早めに取り込まないと乾いたものが湿気ったりするし、ふとんも冷たくなってしまう。干しているものの心配をしながら買い物をするのもなんだかなあと思って、夕方を過ぎた頃に行こうかと考えていた。ここで困ったのが吉田さんだ。なんの偶然かわからないけど、ちょうど吉田さんと休みが丸かぶりした。吉田さんに予定がなければほぼ半日一緒にいるということになる。吉田さんは遠征があるし、私も仕事でちょこちょこ出張に行くけど一日一緒なんてころがなかったわけじゃない。だから半日くらい一緒なだけで困るなんてこともない。…はずだった。




吉田さんを見送ったあと、時間もたっぷりあるのでリビングの掃除をすることにした。掃除機をかけながら、ふと目についたカレンダー。季節も冬に移り変わろうとしている。なんだかんだで吉田さんと暮らし始めて半年以上が過ぎていた。初めて会った時はこの人とやっていけるか心配だったけど、なんだかんだでやってきたんだな、なんてしみじみ思ってしまう。掃除機を片付け、お茶を入れて一息をつく。思えば最初の印象は最悪だった。好みではないと面と向かって言われるのは、地味にくるものがあった。私だって吉田さんは好みじゃなかった。でも吉田さんは黙っていればかっこいい。イケメンに言われるとやっぱ辛かった。うん。でも女遊び激しいし、気まぐれだし、子どもみたいなところあるし、ますます好みじゃなかった。ただ、サッカーを知ってから、共通の話題ができて、話すようになって、それが意外にも楽しくて。なんだか急に親近感が湧いてきた。生活の中でたまに見せる笑顔とか、優しさとかにドキドキし始めてしまった。私は吉田さんが好きなんだ。自覚してしまえばあとは楽なんて言うけど、私は自覚してから寧ろ更に困った。今まで彼氏がいなかったわけじゃないけど、仕事に熱意を注いできたせいか、ここ数年恋なんてしてなかったから、妙に意識してしまって、接し方がよくわからなくなっていた。ここ最近はうまいことに予定が合わず、一緒に過ごすことも少なくて助かっていた。そしたら今回休みがどんぴしゃりというね。朝の占い見たら最下位だったし。半日も一緒にいなくてすむのは助かったけど…女の子とデートか。最近そういうのはなかったから油断したっていうのも変だけど、なんかくるなー。







久しぶりにゲームでもやろっかな。



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吉田さんが殆ど出てきませんね!おかしいな!
ちなみにやってるゲームはアクションです。359無双希望。そうですわたくしがやっております。インテリヤクザがきてます。



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