君にありったけの愛を叫びたい | ナノ



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ピピピ、という無機質な電子音で目覚めた。
眠気眼で携帯の目覚ましを切りながらのそりと起き上がる。ベッドサイドにおいてある電子時計は6:28と表示されていた。うわすごい微妙。取り敢えず顔を洗おうと、携帯をベッドに放り投げて洗面所に向かう
顔を洗い、歯を磨いてさっぱりしたところで服を着替えたところで携帯がチカチカ光っているのに気づいた。メール…花子からかな?そう思いながら携帯を開くとそこには吉田さんの文字。……え?目を閉じて、深呼吸して、落ち着いて、もう一度画面を見た。文字は変わらずそこに映し出されている。メールが来た時間を見ると23:40。思いっきり寝てたよその時間。急いでメールを開いた


20XX/1128 23:40
Frm:吉田さん
Sub:Re:Re
そう?
明日はオフだからずっと家にいるよ
おやすみ


…おお、普通の内容だった。無理強いしないところはやっぱり吉田さんだな。そしてはた、と気づく。何時に帰ろう。決めてなかったそういえば。急いで時刻表を出して家から駅までの時間を逆算して電車の時間を決める。あ、駅でおみやげ買おうかな。そんなことを考えながら、朝ごはんを作りにキッチンへ向かった







ちょっとリッチにタクシーを使ってマンションへ帰ってきた。話し上手な運転手さんにお礼を言ってマンションの入口へ向かうと、誰かが立っているのが見えた。近づいて行くほど見慣れた人にしか見えない


「よ、じゃなかったジーノさん!?」


うっかり吉田さんと言いそうなのを飲み込んで駆け寄る。


「やあ佳奈。おかえり」
「た、ただいま帰りました…けどどうしたんですか?」
「疲れてるだろうから荷物を持とうと思ってね」


はい、と差し出される手に戸惑いながらもトランクを手渡す。相変わらず優雅な動きだなあ、なんて思いながらその隣を歩く


「風邪をひいたのかい」
「(あ、マスク)そ、そうなんですよね。健康管理がしっかり出来てない証拠ですね。ジーノさんも気を付けてくださいよ」
「そうだね。…部屋が寒いのかな。佳奈の部屋用に暖房か加湿器買おうか」
「いやいやいや!それは悪いですからほんと。でも加湿器はあったほうがいいかもしれませんね、リビングあたりに」


そんな話をしながら家の前につき、ジーノさんがドアを開けてくれた。どうぞレディとか言うの似合うからやめてくれ
部屋に入ると程よい温かさに包まれる。暖房を入れておいてくれたんだろう。朝でもわりと冷え込んできたし


「取り敢えずお茶飲みますか。アールグレイでいいですか?」
「ああ頼むよ」



戻る日常


なんか戻ってきたって感じがする。




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