44
声が聞こえて、目を開く。
何故か全員集合していて、話し合っていた。
だるい体を起こして、髪を掻き揚げる。
「…どうした?」
「ヒサメ、お前はアンブレラ社について何を知っている?」
何をって言われても、そんなに知らない
「宗教団体に支援してたこと、で、そこに関係するプラーガってのを使ってガナードを作ってること。」
「他には?」
「シェリーとアンジェラの父親がそこの関係者、二人にも多分何らかの秘密がある。」
あとはなんだー?と首を傾げていると、どくり、と心臓が鳴ったのを感じた。
思わず、心臓の辺りを握りしめて、目を伏せる。
やべぇかも。
耳元で、鼓動が感じられる。
目を開いて、喉元を押さえた。
叫びを押し殺して、深く息を吐きながら、目を伏せる。
「ヒサメ?」
「おい、どうかしたのか?」
かけられる声が遠く聞こえる。
自分の意識を保つために必死になりながら、かってに動こうとする体に恐怖を覚えた。
せめて、もう少し。
「ヒサメ?!」
大きく聞こえたジルの声と、少し揺れた体。
やばい、と思った。
「はな、れて。」
私の体は、多分、一時的だが、乗っ取られている。
ジルの首に手がかかって、じわじわと締めている感覚が、伝わってきた。
他のメンバーが驚いているのを感じる。
早く、誰かどうにかしてくれ。
苦しそうに、ジルが私の名前を呼ぶ。
徐々に力が入っていく手をどれだけ止めたいと思っても、自分の意志では動かせない。
「ヒサメ!」
部屋の扉が開いて、同時に状況を理解しただろう彼が、私の足を打ち抜く。
がくり、膝をつき、私は少しほっとして、そちら側を見た。