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「上に?どういうことだ?」
「此処の宗教団体の上には、アンブレラがいる。」
シェリーもアンジェラも、アンブレラ社の研究者の娘だ。
ヤツらが欲しがる何かを持っていても可笑しくない。
ああもう、頭が可笑しくなりそう
頭を抑えて、とにかく奥へ進む。
奥へ進んでも、全然、彼女たちは見つからない。
…どうやら、本格的にアンブレラに連れて行かれた可能性がある。
「このまま進むか?」
「…私は進む、この宗教団体は潰さないと。」
そう告げれば、数回瞬いたレオンはなら俺も行く、と笑う。
そして、当たり前のように前を進む彼は、出てくる邪教徒をナイフと体術だけで倒していく。
回し蹴りに肘鉄、それから、ベリィ(ベリィトゥベリィ)も使っていた。
とりあえず、やっぱり私はいらなかったかもしれない、なんて思うくらいには強い。
私も彼も弾を節約できるのは素晴らしいことだけれど、その、時々こっちに敵が来るとか。
ベリィとか、こんなとこでするもんじゃないんじゃないかとか。
思わず離れると、離れるな、って言われるけど、近くにいると邪教徒も近づいてくるとか。
もう色々突っ込みどころが多過ぎて辛い。
「かなり進んだと思うんだが…。」
なんだかわからない遺跡のような場所に出て、思わず首を傾げる。
レオンも周りを見回して、同じように首を傾げた。
出口らしき場所はあるのだが、残念ながら、檻のようなものが前にあって、出られそうにもない。
つまり、その邪魔を退かすための何か仕掛けがあるってことなんだろうなぁ…。
眉を寄せながら、周りを見渡す。
絶対なんか出てくる気がしないでもない。
「ヒサメ、」
「…なに?」
「あそこ、登れるか?」
彼が指差したのは、確実に私の身長よりも高い、足場。
上の道をたどっていけば、スイッチがある。
…つまり、あのスイッチを弄って来い、ってことなんだろうね。
自分の服装を見てから、一度目を伏せた。
「手伝ってくれるんでしょ?」