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どうやら、私はこの世界では、家族を亡くした天涯孤独の身らしい。
独り立ちしてたから、他の親族にはお世話になることなく、生きてきた、という設定らしく。
まあ、あんなこと言えば、ジルはそんな感じになりますよね。
私としては、この世界で結婚して、子供を作る予定なんてさらさらなかったから、そう言ったまでなんですけど。
そんな意志が伝わる訳もなく。
得意分野・戦闘、不得意分野・恋愛
「元々恋愛苦手だし、私みたいなのもらってくれる人いないんだもの。」
肩をすくめて、ジルに言えば、疑わしそうにしながらも、そう?と首を傾げる彼女。
うん、と頷いて、私に恋愛して欲しいなら、誰か紹介して頂戴ね?と笑う。
彼女は嬉しそうに笑って、本当ね?!と告げてきた。
一応、頷いておけば、指折り数え始める。
「…あ、でも暫くは無理かも。このまま、アンブレラ社潰してくるから。」
ぽん、と手を叩いて告げれば、驚愕の視線に貫かれた。
何馬鹿言ってるの?と叫んだのがクレア。
それは私に任せておいて、と言ったのがジル。
同じようなことを言ったのはクリスとアリス。
シェリーとアンジェラは不安そうな目で私を見た。
エイダは驚愕で固まっている。
そして、残りのレオンに大反対された。
「さっき死にかけたんだぞ、わかっているのか?」
冷静な感じで告げられると心に刺さります。
ザックザクで血みどろのハートが出来上がります…。
そんなこと言える訳もなく、小さく目を逸らして、爆破すればいけるかなーって。
「どうやって、だ?」
そりゃ、爆弾で?とか言いたかったが、彼が言いたいのはそんなことではないだろう。
まあ、そんなことしたら、9割方自分も一緒に海の藻くずになっちゃうだろうし。
…そういうことなんだよね、多分。
とりあえず、視線を合わせて、にっこり、笑う。
「秘密。」
人差し指を唇の前に立てて、首を傾げた。
どうだ、呆れてモノが言えないだろう?!と思っていれば、ふい、とレオンが視線を逸らす。
…勝った!と、ガッツポーズしたくなるのを、私は耐えた。