ナマモノ | ナノ



06
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その問いに軽く視線を逸らしたら、がし、と肩を掴まれた。
が、移動を開始していたので、置いてかれる、とだけ答えて、皆の後を追う。
クレアがシェリーと手を繋いでいるらしい。
ちなみにアンジェラは不安そうにしていて、泣きそうな顔でもある。

「ジル、」

幼女や女の人は、優先順位第一位です

私の声に気がついたのか、アンジェラと手をつないだジル。
若干、溜息が聞こえた気がしないでもない。
多分…右手に50口径を握っていた私には何も言えないと思ったのだろう。
ふと、隣にいるレオンさんの視線に気がついた。

「それ、って、」
「…ん?あ、同じ?」

彼の手元にあるのも同じもので。
数回瞬いて、にこり、と笑う。
コートの裏側にセットしてある弾倉を1つとって、はい、と渡した。

「いいのか?」
「ん、まだ持ってるから。」

彼が受け取った瞬間、前が戦闘態勢をとる。
反応して、幼女たちを守るように体型を整えた。
現れたのは一人の赤いドレスを着た女性。
多分、中国系だろう、顔立ちをしている。

「貴女は?」
「エイダ・ウォン、」
「目的は?」
「此処から逃げること。」

アリスとの会話に眉をしかめた。
おいおい、嘘だろそれ、なんて思うが、まあ、いいや。
此処から逃げたいのは目的じゃなかろうと、事実ではあるだろうし。
意見を求められるように、こちらに視線が向くが、肩をすくめるだけで答える。
結果、彼女はパーティーとして参加することになった。
が、問題は位置だったりもしないでもない。
…いいか、中央の4人を守って下さいってことで。

『にしても、カオスなパーティーだこと。』
「ん?何か言ったか?」
「こんなことがなきゃ、集まらないだろう面子だと思ってね。」

こちらを確認するように見てきたレオンに首を振って、前を向く。
確かにな、と聞こえた声に小さく笑って、横目でちら、とレオンを見た。
ふと、真剣な目でこちらを見てくる彼に、疑われてるのかな?
と思いながら、何か、と問いかけた。

「エイダは日本人か?」

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