03
彼女は固まってから、数回瞬いて、なんて呼べば…と首を傾げた。
小さく笑い、好きに呼んで、とだけ答える。
「それで、これからどうするつもりだ?」
後ろから掛けられたレオンさんの声に肩をすくめた。
ちら、とシェリーを見ると、彼女も不安そうに視線を彷徨わせている。
他のメンバーも反応は同じようなもの。
心の底から、アンデットは嫌いです
「なら、アンブレラ社の特殊部隊がこの街に来ているだろう、そいつらを捜そう。」
「なんで?」
「なんで、って、此処から出るには此処を封鎖したアンブレラ社がカギを握ってるでしょう?」
封鎖?と首を傾げる二人に、嘘だろ、と思わず呟く。
君たち、情報無しでよく生き延びてたね、と頭を抑えてから、自分の知っている情報を伝える。
ちなみにこの情報は、神様的な存在に教えてもらったことと、実際、ここ(警察)に来るまでに得た情報だ。
ぶっちゃけ、前者については世界の設定を聞いていただけだから、封鎖などは現地で知った。
真剣な顔をして聞く二人に、まあ、これからか、と肩をすくめるが、ふと、動く。
とりあえず、刀に手を置き、シェリーを安全な場所にちょっと移動させる。
が、その動きをレオンさんに止められ、彼は自身の銃で、それの頭を打ち抜いた。
「君たちが散けるのは得策じゃない…が、だからと言って、シェリーを一人で連れて行くのもな…。」
せめてジルがいれば、何とかなるんじゃないか、と思っている自分に少し驚く。
何でそんなにジルを信頼しているんだかわからないが…まあ、親戚なんだもんね。
そりゃ信頼するか。
「…単独でジルを探すのも、…ごめん、シェリー、君を置いてはいかないよ。」
なしか、と肩をすくめる。
そりゃ、幼女(12歳)に淋しそうな眼でじっと見つめられたら、ねぇ?
とにかく、行くしか無いか…、と出入り口に眼を向けた。
ぽん、と肩を叩かれて、そちらを見る。
「そんなに気負うなよ。」
『…気負うな、か。気負ってないと今にも倒れそうなんだよねぇ。』
ふう、と頭を抑えて、ありがとう、と笑った。
ぽかん、と口を開けたレオンさんがいるが、まあいい。
クレアに声をかけて、警察から出る。
周りに気を配りながらも、ごつ、ごつ、と音を立てて歩いたら、意味ないよな。
と思い当たって、丁寧に歩き始めた。
足音が一気になくなる、驚いたようにクレアに見つめられ、首を傾げる。
「その靴、どうなってるの?」
「ん、ああ、鉄が仕込んであるから。」