旦那 | ナノ


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「白雲!」
「何!」
「石田さん、足首、テーピング!」
「了解!」

叫び声に近い声が聞こえて、慌てて視線を走らせる。
ステージのところで座っている石田さんを見つけて、そちらに向かう。
彼のすぐ側に膝をついて、ウエストポーチから必要なテーピングとはさみを取り出す。
様子を見て、それ程酷いものではない、と判断し、テーピングを巻いた。
それから、男マネのトレーナー希望の先輩(名前は相沢さん)と話をして、それくらいの練習をさせるべきか決める。
決定したら、それを伝えてもらっている間に部室に戻って、メモ帳に誰がどんな怪我をして、結果どうしたか、を記入。
水道と洗濯機のある部屋に入って、新しいドリンクを作り始め、タオルを準備する。
20分が終わる前に、タオルを籠に入れて体育館に出して、同時にまた空の籠をおいておく。
此処で一回目の休憩。
マネ希望の子が話していないか、座っていないか、見ていてくれた男子マネに確認。
そして、ダメだった子の名前に数字を入れて行く。
まあ、この後ボール使い始めたら半分にはなると思うんだけどね…。
休憩が終わったら、空だった方の籠を回収、洗濯室にもどる。
で、使ったタオルと無くなったドリンクを数えて、同じ数を用意。
洗濯機にタオルを突っ込んで回している間に、もう一度空の籠とドリンク、タオルを配置。
空いたボトルを洗うため部屋に戻る。
ボールを使い始めたらしい。

「白雲ー!テーピング!」
「はい!」

聞こえた声に、聞こえないだろうが返事をして、部屋から出て全体を見る。
奥の方で手を挙げている先輩。
…何でそっちで怪我するかな、なんて思っても仕方ないので邪魔しないように体育館を走る。
あ、一人マネ希望の子にボールがぶつかった。
めんどくせ、後でフォローか…。
ちなみに先輩は突き指でした。
軽いのでこのまま練習しても大丈夫です、と告げ女の子の方に行く。

「大丈夫?」

声をかけるとふるふると首を振る彼女。
全く…と思いながら、肩を貸して立ってもらう。
ゆっくりとした動きで洗濯室に向かう。
途中で飛んできたボールは勿論片手で捌かせて頂きましたとも。

「此処でちょっと休んでて、」
「はい。」

実はこの洗濯室、冷凍庫あるんだよね、ってか入れてもらったんだけど。
そこから氷を出して、袋に入れて、水をちょっと入れて、使ってないタオルで包む。

「これ、ボールぶつかったとこ冷やしときなね。」

それだけ告げて、部室にいって、使用したテーピング書き込み。
洗濯室に戻り、ボトルを洗っていく。
1つ1つ手洗いなので時間が掛かるのが問題だ。
まあ、練習中は基本水洗いで、練習終わったら洗剤使って洗うんだけど。
それでも、時間は掛かる。
が、慣れた。

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