旦那 | ナノ



063
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その通り、と肩をすくめて自分の仕事に戻る。
んーと…と仕事内容を思い出しながら書いたそれを確認。
こんな感じかな。
ああ、一応仕事中気をつけることとかも書いておこう。

「できた!これをコピーして、」

えっと、何枚だ…?
とりあえず、マネージャーの方は40と橘くんに渡しておくので41枚。
明日以降の仕事は、掲示用と男子マネ一人一人に渡すとして…10枚?
面倒だなぁ…明日先生にコピーしてもらおうかな、うん、それがいい。
プリントの上部にコピーして欲しい枚数を書いておく。

「宗くん、」
「なぁに?」
「これ、明日先生に渡してコピーしてもらってもいい?」
「もちろん、いいよ。」

その言葉にありがとう、と笑って、一度大きく伸びた。
明日からの準備はもうできている、というか、ほとんど日本食をもって行くだけで、服とかは母と兄が買ってくれるらしい。
いくつか既に買ってあるらしく、それよりも、米と醤油と味噌を頼むと言われた…。
娘(もしくは妹)に頼むのが、米って…元気な顔さえ見せてくれれば、とか言ってほしかった。
ふわぁぁ、と欠伸で思考を遮られる。

「私もう寝るけど…二人はどうする?」
「一緒に寝るー。」
「いやいや、可笑しいでしょ、彰くん。」
「え、仙道が一緒なら、俺も一緒でもいいよね?」
「ちょっと待って、宗くん。私、うんって言ってないからね?」

何でコイツらこんなに自由なんだろう。
疲れた…。
しかも、まるで私が許可を出したかのような反応だし、可笑しくない?
あれ?私って許可したっけ?してないよね?

「じゃぁ、二人でこの部屋で寝てるといいよ。ソファーが一応ソファーベッドだし。」
「「え…、それはいやだ。」」
「声揃えんなよ。」

明日からいないからなんだろうなぁ、やっぱり。
とは思うものの、それとこれとは別の話で。
不満そうな、というか、計算尽くだろう、その表情を見てきっぱり言う。

「だーめ、襲われかけたのでそんなこと絶対に許しません。」

無言で目を逸らした二人は、一応自覚があるんだろう。
はぁ、とため息を吐いて、早めに寝なよ、とだけ告げて自分の部屋に入る。
私室はカギをつけたので、それさえ掛けてしまえば入ってこられない。
そのことに安心して、布団に潜り込んだ。

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