正義 | ナノ



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「何故、デスマスクが生真面目だと?」

…マジなのかよ。
これで、ネタでーす、とか、いえねぇわ、流石に。
今回、正直に言うのは、やらなかった後悔より、やっちゃった後悔のがデカくなりそうだ。
と、いう訳で。

「女の勘、ってやつです」

唇に人差し指を当てて、小さく笑む。
なるほど、あなどれん、とか言ってるシオンさまなんて知らない。
女性というのは勘が鋭いのか、なんて言ってるサガさんも見えない。
探るようにじっと見てくるデスマスクさんも気にしてられない。
…別の意味で女慣れしてなすぎだろ!
なんだよ、女の勘、って結構な頻度で出てくる言葉じゃないの?
何か頭痛くなってきた。
が、納得しなかったのは残りの3人で。

「氷雨、私にだけこっそり教えて?」
「ディーテさん…」

中でも興味津々といった瞳で私を見てくるディーテさんに苦笑して、お弁当の蓋を閉じる。
それから、イイ笑顔を向けて、告げた。

「秘密です」
「なら、俺は?」

間髪入れずにアイオロスさんが話しかけてくる。
私に対しての敵対心は何処やったんだよ、お前さん。

「アイオロスさんでも、だめです」

まあ、喧嘩腰じゃなければ、仕事もしやすいだろう、と割り切る。
お弁当と飲み物を鞄にしまい、椅子を下げた。
シュラさんがそれを止めるようにして声をかけてくる。

「何か、理由があるのか?」

その言葉に肩をすくめて、とりあえず、席を立った。
扉のところまで歩き、くるり、振り返る。
もう、女の人についての認識を混乱させてやりたくなってきたが、面倒になるのは目に見えている…か。
悪戯っぽく笑って、ウィンク。

「A secret makes a woman woman. 秘密は女を美しくするんです」

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