正義 | ナノ



063
しおりを挟む


「体も鍛えていないのに?」
「精神的強さは、肉体的強さから得られるだけではないでしょう?」

困った、と眉を下げる。
ふむ、一理あるな、と顎に手を当てるシオンさま。
いやいや、かなり生きてるでしょうよ、貴方が何故知らない。
頭が痛くなって思わず、額を抑える。

「母は強し、って言葉聞いたことあります?」

キョトン、とした顔。
嘘だろ…!
いくら日本的な言い方だとしても、聞いたことぐらいあるだろうと思ったのに…!
え、無いの?マジで?なんてテンパりながらも、はは、とから笑いする。
じゃぁ、と少し違ったところだが声に出す。

「女は現実主義者っていうのはどうですか?」
「あ?女ってのはロマンチストなんじゃねーのか?」

何処から現れたカニマスク。
勿論、顔には出さない。
つーか仕事しろよ、マジで、なんて思いながら、にっこり笑う。

「確かに、ロマンチストな部分はありますが、結果、一番現実を見つめているのは女ですよ」
「そう、なのか?」
「そうですねぇ…具体的な例…って考えると、難しいんですが」

うーん、と顎に手を当てる。
何で一般女性論を彼らに話すために頭を悩ませなくちゃいけないんだろうか。
ていうか、そんなくらい分かれよ、デスマスクさんとかわかるんじゃないの?
女遊び激しいって噂だよ、なんて思いながら、ふぅ、とため息を吐く。
そうか、と思いついて、話しかける。

「デスマスクさん、質問します」
「なんだ?」
「多分遊んでるっていう偏見の上、ですけど…そうですねぇ、何人くらい遊びました?」
「それを答えろってか?」
「もしくは、良い女だと思ったのは何割いました?」

良い女、ねぇ?と首を傾げた彼は1割ってとこだな、と口角をつり上げる。
うーん、計算の速さ的に考えて、満たないな。
良い女ってのは少ないものだね、とどこかで考えながら、ただし、彼が手を出す人間に限る、と付け加えておく。

[前へ]/[次へ]

[ back to menu ][ back to main ]
[ 番外編に戻る ][ 携帯用一覧へ ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -