正義 | ナノ



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この場にいないメンバーにはテレパストやらで連絡がいったらしい、本当に便利だな小宇宙。
…サガさんとカノンさんは数時間だったからまだいいよ、いや、よくないど。
私にしか皺寄せが来ないレベルだから。
シャカさんの一週間が一番過ぎているものだったが、思わず額を抑えた。

「ここは明日までに処理して、いや、今日中にこの辺りか…シャカさん」
「何かね?」
「あと2時間半で私が処理しますので、その直後、日本の城戸邸まで行ってもらいます」

くるり、一度ペンを回して、返事を聞かずに集中し始める。
此処で私がある程度見たことを伝えて、あとは財団の担当に回せば、まだセーフのはずだ。
頭の中から関係のない思考を追い出して、内容だけに集中する。
ペンを走らせ、修正と今までの知識からの対応策をいくつか書き出す。
もう一度頭から見直して、大丈夫そうだ、と溜め息を一つ。
何枚か進めて、時計を確認すると、4時半になっていた。
ルーズリーフに注意事項やら情報やらを書き込んで、一つのファイルにまとめる。

「これをお願いします。メイドに渡してくれれば大丈夫ですから」

わかった、と受け取ってすぐにいなくなったシャカさんを見送って、椅子に寄りかかる。
が、すぐに、そんなことをしている暇はないと、頭を振った。
体を元の位置に戻して、残っている書類に視線を落とす。
とりあえず、通常の仕事は後回しでいいはずだ、今までも余裕を持って終わらせていたんだし。
深呼吸してから、ぺらり、ぺらりと捲る。
…うん、こっち最優先しよう。
今日中にこの仕事終わらせて、明日…うん、今日分の仕事は明日に回して。
あとは、今日終わらせたら、本部に連絡しないとか。
頭痛い…と額を抑えながらため息を吐きそうになって、必死に飲み込む。
溜め息とかついたらサガさんカノンさん辺りが死にそうな気がする。
気のせいでしかないけど。
きゅ、と唇を結んで、親の仇を見るかのような気持ちで書類に向き直った。

「…終わったぁ」

机に突っ伏しそうになってから、此処が執務室で他の人たちがいることを思い出す。
終わった書類をサガさんに渡して、時計を確認すると退出するには良い位の時間だ。
サガさんと他の皆さんにお先に失礼しますと笑って、執務室から出る。
自分の部屋に戻って、深い深い溜め息をついた。

「つっかれたぁ…」

大きく伸びて、シャワー浴びようかな、と勢いよく立ち上がる。
くらり、と歪んだ目の前に完全に体調不良か、と肩をすくめてから着替えを出す。
面倒だから、ある程度ラフでもいいか。
シャワーから上がると、シュラが迎えにきてくれていたらしい。
扉の向こうから声が聞こえて、はぁい、と返事をした。

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