正義 | ナノ



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非常に気分が重い。
というか、何だろう…体ごと全てが怠い。
一体どうしたことかと思わないでもないが、多分、体調不良がぶり返したのだろう。
ここ最近出掛けたり、遊んだり、なんだかんだとしていたからなぁ。
ベッドから起き上がることが出来ないレベルは久しぶりだ。
理由もないのに泣きそうな段階で精神的にもヤバいんだろうなという自覚はある。
冷静に見られているだけ、まだいい方なのかな…。
いつもの三倍以上の気力を使って、身体を起こす。
シャワーを浴びて、いつもの倍の時間をかけて支度をした。
別に何時に行くとか決めてないし、朝食昼食は面倒だから抜こう。
夕食はディーテの番だから気にしなくていいや。

「息抜きは出来たはずなんだから、しっかりしろ」

冷たい水で顔を洗ってから化粧で気合いを入れる。
必要なものを全部持って、執務室に向かった。
平行して終わらせておいた仕事をサガさんに渡して、新しい仕事を貰う。
内容を確認してから、リアとミロさんの近くに向かった。
正直、もう放っておいても大丈夫なんじゃないかと思うくらいにはマシになっている。

「おはよう、氷雨」
「リア、おはようございます。ミロさんも」
「おはよ!…氷雨ちゃん元気ない?」

じっと見つめてくる青い瞳にへらりと笑う。
平気ですよ、と返しながら、席に座りながら、内容ごとに書類を分ける。
今日は本当に集中出来なそうだ。
深呼吸して、目を伏せて、ゆっくり目を開く。
一度ペンを弾いて回してみるが、スイッチを入れることが出来ない。
妙な違和感が身体の中に残っている。
無理矢理に振り払って、書類に目を持っていった。

「ふぅ…」

一つため息を吐いて、目を上げる。
いつも通り時計を確認する。
ああ…二時か…仕事量的には、まあ、進んだ方だろう。
と、思った時のノック。
執務室に入ってきたのは、シャカさん。
私に出してきたそれは、提出期限が既に一週間ほど過ぎていた。
そして、それに記憶を刺激されたのか、何処からともなく聞こえる、あっという声。
…嘘だろやめてくれ。

「期限が過ぎている書類があれば、今すぐ提出してください」

ちなみに、私に渡されるのは基本的にグラード財団関係のものだ。
聖闘士って結構お金掛かるんだよ…!
お金だけじゃなくて、人事とか備品とか、隠蔽工作とかな!
なんて言ったら、全員から出てきた。

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