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唐突な言葉に言葉を失う。
え、何言われた?
きみはたべないのか?きみ、君?私か?
「え、っと、」
「この私に誘われているのに断わるつもりかね?」
「…ご一緒させていただきます」
とはいえ、私の分は作っていないのだが、どうしろと。
ああ、でも残り物はあったし、それでいいか。
「早く取ってきたまえ」
「え、あ、はい、いってきます…?」
よくわからないまま、仮眠室を出る。
なんでこんなことになっているのかと一人首を傾げながら、部屋に戻って自分のお弁当箱に残り物を詰め、お弁当の形にした。
急いで戻り、シャカさんに勧められるがまま彼の正面に座る。
食べずに待っていてくれたらしい彼に驚きながらも、手を合わせた。
「いただきます」
と、お弁当を食べ始める。
目の前のシャカさんも食事を開始した。
緩慢な動作に見えるのだが、食事の減り方が尋常じゃない。
え、なに、流し込んでるの?と聞きたくなるくらいだ。
よくよく見ていると、一口が、大きいらしい。
もっもっもっもっ、だろうか。
ハムスターやリスが頬袋に溜め込むような、そんな光景に見える。
…あれ?彼は私より少し年下なだけ、だよね?
「何かね?」
「あ、すみません」
思わず謝るが、彼は、いいから理由を言えと言いたげに視線を送ってくる。
ような気がする。
実際その目を見たことは無い訳で、意識を向けてくる、の方が適切かもしれない。
「ええと、お口に合いますか?」
「また献上することを許す、安心するがいい」
「それはよかったです…?」
多分、口にあったという意味だろう。
そう思いながら何とも曖昧な返事をしてしまった。