正義 | ナノ



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私の仕事は沙織様が高校生活を満喫できるように彼女の仕事を肩代わりすることだ。
彼女も学校の成績を保ちながら、経営を学んでいたり、部下に指示したり、とかなり忙しい生活をしている。
つまり、簡単にいってしまえば、彼女の仕事上の影武者といってもいいくらいの仕事なわけで。
責任も重ければ、労働も大きい。
ぶっちゃけ、割にあわないし、お金は溜まる一方の仕事である。

ただ、私はまだ新人であり、基本的に日本の城戸邸での仕事しかしていないのが救いかもしれない。
が、そのうち世界を股にかける必要があるらしい。
現に今、私には一人の先輩がいるのだが…彼は辰巳さんと言って、沙織様のBGも務めながら、海外に飛んで仕事をしている。
とはいっても、二足(いや三足か?)の草鞋、1つの仕事に縛られていることは出来ない。

…つまり、だ、わかっていただけただろうか、私が引き受けている仕事。
時折、辰巳さんの分まで私に回ってくるのだ。
幸運なことに城戸邸の客間を私室兼仕事場として使用させていただいていて、仕事漬けの日々を送っていられるが…。
あと、お食事は城戸邸のメイドさんが出してくれるため、自炊の必要もない。
や、できなくはないし、時々メイドさんとかと料理しているからうまい方ではあると思うよ?
母親も料理好きな人だし。
ちなみに、私の家庭環境は両親と兄に私の4人家族で、両親は幸せそうなカップルです。
うん、カップル、本当に。
もちろん、万年新婚夫婦でも可ですが。
兄は私より年上(…あれ、当たり前じゃね?でも、外見的なものだけで、)で、今は海外にいます。
今度はアメリカに行くとか言ってたかな?どんな仕事をしているのか、よく知らないけど、世界中を飛び回っています。
私が異常にお金を溜め込んでいるので、そのお金で旅行してこいとよく言ってくれるいい兄です。
ちなみに名前は 白雲吹雪と言います。
優しいです、優しさライセンス一級だよ、ブラコンになっても仕方ないよね?
閑話休題。

そうそう、私がお金を溜め込む原因の1つがさっき言った城戸邸に住み込んでいるってことなんです。
家賃光熱費が浮いているし、食費まで浮いてます。
勿論、何処かへ行く時は経費で(申請していないのに気がついたら)落ちるし、本社に行く時は車を出してくれる。
私のお家は城戸邸の客間です、と胸を張って言えると思う。
元々は此処からそう遠くないところに住んでいた。
でも、この仕事始めて半年家に帰れなかったので、解約しました。
だからと言って実家は遠いので、通いとか時間の無駄にしか感じられないし…。
まあ、友人と会う暇も、外に買い物に行く時間もあまりないから、家がなくてもいいのだけれど。
友人と会わない上に、外に出ないってことは、お金を使う機会もその分減って、という循環が出来上がっている。

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