開始
赤壁で、曹操軍と対峙する。
火計で攻めるのは決まっているが、風がどのタイミングで吹くか。
諸葛亮を守るのが今回の仕事であり、然程問題がある訳でもない。
「始まったか、」
隣に立つ趙雲と顔を合わせる。
彼から教えられて譲られた龍槍を装備し、迅雷剣も持っておいた。
船に乗り対岸の此方に渡ってきた曹操軍を撃破していく。
「敵将、討滅したぞ」
「流石だ、氷雨。私も続くぞ!」
敵将を着々と討ち取っていく私に鼓舞されたように声を上げる趙雲。
その後、諸葛亮が祈祷を終え、風が吹いた。
「…行くか」
敵が乗ってきた船に乗って、敵船団に向かう。
到着してからすぐに走り出した。
迅雷剣で敵を斬りながら進んでいく。
一般兵卒は吹っ飛ばしておけば、それから心が折れるのか、向かってくることも無い。
ふ、と気がつくと、目の前に張遼がいた。
「貴殿は、あの時の、」
そのまま狙いを私に定めたらしい彼に眉を寄せる。
一対一はあまり得意ではないのだ。
だが、ふと目の前に馬岱殿が現れた。
「そんなに敵をくっつけて、案外危なっかしいんだから」
ニコニコと笑いながらも、真剣な表情で、彼は私の目の前で戦い始める。
驚いたまま、視線を彷徨わせた。
他に危険は無いか、と。
兵卒たちであればすぐに蹴散らせるだろう、がそれが武将であればそうはいかない。
見た範囲には、特に問題は無いようだった。
迅雷剣を構え、じっと青い帽子の男に視線を戻す。
馬岱殿を補助するように、とは言っても彼は弱くはない。
一瞬、ぞくり、と背筋に冷たいものが走った。
「ッ、馬岱、下がれ!」
叫ぶ。
直後、何処からとも無く球体が飛んできた。
開始おや、よけられてしまったね、男は綺麗に微笑む。
金髪の男を先頭に、数人の武将が現れたようだった。