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「その、でも、私の中のサガさんのイメージの話で、」
テンパり過ぎだ自分、落ち着け。
ふぅ、と一度深呼吸。
「えっと、とにかく、気にしないで下さい、」
「それは出来ない」
真剣に見つめられ、ぽかんとその顔を見る。
サガさんの目が優しく細められて、そっと髪を撫でられた。
なでなで、とゆったり往復する大きな手がそっと、私の頭を抑えた。
そのまま、ふわり、髪に唇が触れる。
「っ?!何、」
「す、すまない、」
慌てて距離を取る。
照れたようにしながらも満足そうにしているサガさん。
…うん、諦めよう。
「サガさん、これからも、いっぱい笑って下さいね!」
「?ああ、そうしよう」
某所では。
「ふふふ、そうしてくれると信じていました」
「沙織さん…?」
「サガも、思った通りに動いてくれましたし…」
嬉しそうに笑う彼女に隣にいる星矢はため息を吐いた。
今度は一体誰が、彼女の楽しみに使われたのだろうか。
一人はサガで間違いないだろうが…。
ちらり、横目で楽しそうな表情を見る。
「これがきっかけになれば面白いのですが…」
「今度は何をしたんだ?」
「ちょっとした悪戯です」
くすくす、綺麗な顔で、地上の女神は満足そうに笑った。
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あとがき
前サイトで、神乃星さまに捧げたものです。