正義・番外編 | ナノ



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反対に得意なのは理科。
絶対零度ってそういうことなんですね、キラキラ。
ダイアモンドダストって、本来は自然現象なんですね、ワクワク。
まあ、そんな感じだ。

「氷雨さん、これって、どういうことなんですか?」
「え?…ああ、伊勢物語?白玉…ああ、芥川、有名どころだねー」
「そうなんですか?」
「教科書にかなりの割合で乗ってるよ。で、これの何がわからないの?」
「とりあえず、高貴な女の人が鬼に食べられて、男が悔しがる話であってます?」

ああ、そこからなの、と思いながら、うん、と答える。
白玉は真珠のことだからね、和菓子じゃないよ、と続けた。

「ワガシ?…我が師?カミュのことですか?」
「氷河君、実は私のこと馬鹿にしてるよね?」
「まさか!」

ジト目で見つめれば焦ったように首を左右に振る氷河君。
でもなぁ、さっきのはいじめじゃない?なんて思いながら、説明を始めた。
答えを教えることの無いように、ヒントだけ与えるって結構大変なんだなぁ、と思いながら教えていれば、一輝君が乾いたぞ、と一言。
髪を触れば、確かに乾いている。

「ありがとう」
「礼だ」

目を細めて笑う一輝君にじゃぁ、頑張って教えないといけない訳ね、と肩をすくめた。
ふ、と意地が悪そうに笑った一輝君は、首を振って、時計を指差す。
時間はまだ、10時…よく、星矢君たち起きたなぁ。

「二時間後、頼んだぞ」
「…そういうことね」

了解、と返事をして、氷河君の宿題を見る。
まあ、大体出来たっぽいので、次の星矢君。
彼は数学が苦手で、かわりに国語が得意、という典型的な文系。

「課題は?」
「これ、何、へーほ−こん、ってやつ」
「ああ、平方根ね。2乗って覚えてる?」
「2の2乗は4…ってやつ?」
「そうそう、√4は2、√9は3…つまり?」
「ああ、思い出した!√9=√3の2乗で、√と2乗が消えて3!」
「その調子ー、ってか、この間も教えたよね、平方根」
「まあ、そう言うなって」

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